【配光性能を検証】ハロゲン vs LED|新車検基準対応のプロジェクター型LEDヘッドライト「ORION H4 Bi-LED」をフィット(GK3)でレビュー

LEDバルブ

はじめに

ハロゲンバルブの車で夜間に走ることが多いと、「手軽にライトを明るくしたい」と思うはずです。10年ほど前の車から純正でLEDヘッドライトを採用する例が増えましたが、90年代の旧車や、このフィット3のような手頃な車では、今もハロゲンバルブが使われています。

そこで今回は、LEDバルブを検討している方に向けて、旧車・ネオクラの新車検基準にも対応したプロジェクタータイプのLEDヘッドライトバルブ「ORION H4 Bi-LED」を、ホンダ フィット(GK3)でレビューします。

ORION H4 Bi-LEDの特徴

ORION H4 Bi-LED(箱の中)と、これまで使っていたLEDバルブ(手前)

ORION H4 Bi-LED(箱の中)と、これまで使っていたLEDバルブ(手前)

これまでフィットには、3年前にレビューしたHID屋さんのLEDバルブ(Qシリーズ)を付けていました。純正ハロゲンと同じようなレイアウトのLEDバルブですが、片方のLEDが点かなくなったこと、後ろの冷却ファンから異音が出始めたことから、今回交換することにしました。

ORION H4 Bi-LEDの大きな特徴は次の3つです。

  • ミニプロジェクタータイプ:純正ハロゲンに近い方式とは異なり、バルブ自体に小さなプロジェクターレンズを備え、配光を考えた設計になっています
  • ドライバー内蔵・配線レス:通常は別付けになるイグナイター(昇圧器)類が本体に内蔵されていて、純正ハロゲンと同じように取り付けられます
  • 冷却ファン搭載:シェルはおそらくアルミ製で、熱伝導性に配慮した作りです

また、LEDバルブを選ぶうえでは、明るさだけでなく「保安基準に適合した作りになっているか」がとても重要です。「車検対応」と書かれていても合格を保証するものではないので、今回は車検に関わる【光度・配光・カットオフライン・光軸】について、実際に確かめていきます。

新車検基準(ロービーム計測)とは

前照灯の新車検基準とは、車検でのヘッドライト検査をロービーム(すれ違い用前照灯)で計測することです。2015年9月から順次運用が始まり、2026年8月1日に全国で完全に移行しました。

対象は1998年(平成10年)9月1日以降に作られた自動車で、いわゆるネオクラも含まれます。ロービームで不合格のときにハイビームで測れる救済措置がなくなったため、ロービームの性能がこれまで以上に求められます。ORION H4 Bi-LEDは、この基準に対応したLEDバルブという位置づけです。

セット内容

日本語の取扱説明書・保証案内

日本語の取扱説明書・保証案内

箱には「H4 Bi-LEDヘッドライト ミニプロジェクタータイプ」「新車検基準対策にも」と書かれていて、特にロービームの光度・配光性能に力を入れた製品です。

  • 取扱説明書(ご使用前の注意事項、取り付け方法、保証・アフターサービス。すべて日本語)
  • LEDヘッドライトバルブ本体 ×2
  • プラスドライバー、ビス ×6

バルブの裏には冷却ファンがあり、取り付け向きで上がハイビーム、下がロービームです。後部にはプロジェクターの向きを調整するボルトが付いています。最終的な光軸調整はテスターで行う必要がありますが、DIYで付ける場合は、まずざっくり位置を決めて取り付ける形になります。

なお、リフレクターにプロテクターが付いたヘッドライトユニットには取り付けられない場合があります。

主な仕様

バルブ先端のミニプロジェクターレンズ

バルブ先端のミニプロジェクターレンズ

項目 内容
対応バルブ H4(Hi/Lo)
方式 ミニプロジェクタータイプ、ドライバー内蔵(配線レス)
色温度 6000K
消費電力(実測) ハイビーム 約61W(約5A)、ロービーム 約43W(約3.5A)
冷却 冷却ファン搭載
価格 7,980円

作動と消費電力

安定化電源で消費電力を確認している様子

安定化電源で消費電力を確認している様子

安定化電源を使って、作動と消費電力を確認しました。

  • ハイビーム:電流値 約5A、消費電力 約61W。非常に明るく、発熱もそれなりにあります
  • ロービーム:電流値 約3.5A、消費電力 約43W

端子は右がグランドで、ハイビームとロービームの端子が分かれています。

冷却ファンは静かな低騒音仕様です。実際に取り付けた状態で、アイドルストップ中のエンジンがかかっていない状態でも、車内にファンの音が入ることはありませんでした。

取り付け方法

純正ハロゲンバルブ(上)とORION H4 Bi-LED(下)のサイズ比較

純正ハロゲンバルブ(上)とORION H4 Bi-LED(下)のサイズ比較

フィット(GK3)での取り付け手順です。

  1. ヘッドライト裏のカプラーを外す
  2. ゴムの防水キャップ(めくら蓋)を外す
  3. バルブを固定している針金を押して上に外し、純正ハロゲンバルブを取り外す
  4. LEDバルブの向きを確認し、カットオフラインが目視で水平になるように調整ボルトで角度を合わせてからはめ込み、針金で固定する
  5. 防水キャップを位置を合わせて取り付ける
  6. カプラーを接続する

純正ハロゲンと比べるとLEDバルブはかなり大きいサイズですが、しっかり取り付けられます。注意点はカプラーの向きで、純正バルブとは若干異なり、手前にロービームの端子が来ます。向きを確認してはめ込めば完了で、慣れていればすぐに取り付けられます。

バルブの点灯

3年経って曇りが出てきたフィットのヘッドライト

3年経って曇りが出てきたフィットのヘッドライト

3年前にレビューしたときはあまり曇っていなかったヘッドライトも、3年経つとクリアが薄れて変色してきます。レンズが曇っていると、バルブによっては光度が出ないこともあるので、車検の前には磨いておくのがおすすめです。

ロービームを点灯すると、色温度はハロゲンとまったく異なる6000Kの白い光です。立ち上がりが非常に速いのもLEDバルブならではです。車内ではファンの音はまったく聞こえず、アイドルストップでエンジンが止まっているときでも気になりませんでした。

ORION H4 Bi-LEDのロービーム点灯

ORION H4 Bi-LEDのロービーム点灯

配光性能①:カットオフライン比較

カットオフラインの比較(左:ハロゲン、右:LED)

カットオフラインの比較(左:ハロゲン、右:LED)

ここからは、右側をLEDバルブ、左側をハロゲンバルブにして比較します。ハロゲン側は去年そのまま車検に通した状態なので、これをひとつの物差しにしてください。

ハロゲンの配光を見ると、まっすぐ来たラインが途中から左上がりになっています。これが「カットオフライン」です。LEDバルブも形状は少し違いますが、しっかりカットオフラインが出ていて、ハロゲンよりも鮮明にラインが出ているのがわかります。

カットオフラインより上に光が漏れると、対向車のドライバーを幻惑させる恐れがあるため、すれ違い用前照灯として保安基準に不適合となり、車検に通りません。ORION H4 Bi-LEDは、ラインより下の路面を照らす部分はハロゲンより目視でも明らかに明るく、一方で光が漏れてはいけない上部はしっかり抑えられていました。ここが保安基準に適合させるための重要なポイントです。

配光性能②:エルボー点比較

LEDバルブのエルボー点を示しているところ

LEDバルブのエルボー点を示しているところ

左上がりのラインと左右に流れるラインが交わる点を「エルボー点」といい、ロービームの光軸を調整するための基準点になります。保安基準で定められた位置に合わせる必要があり、正確な位置はテスター屋さんの光軸調整器でないと測れませんが、この点がはっきりしていれば、ライト側のアジャスターで規定位置に調整できます。

ORION H4 Bi-LEDはハロゲンと少し形状が違いますが、左右に流れるラインと左上がりのラインが交わるエルボー点がちゃんとあります。

また、エルボー点の直下が最も光度が高くなる領域です。物差しのハロゲンでも、エルボー点の直下だけが白っぽく明るくなっています。LEDバルブも同じく、エルボー点の直下が明るく照らされていました。この最大光度の位置が左右にずれているLEDバルブは、車検に通らないことがあるそうなので、選ぶうえでの大事なポイントです。

配光性能③:光度比較

ORION H4 Bi-LEDの測定値(約1,996lx)

ORION H4 Bi-LEDの測定値(約1,996lx)

最後に参考まで、光度を簡易的に測りました。車検では、ロービーム1灯あたり6,400カンデラ以上が求められます。

測定はスマホのルクスメーターアプリで、ヘッドライトから壁まで約2mの距離で、エルボー点直下付近を測りました。この条件では、1,600ルクスを超えれば6,400カンデラ以上という目安になります。

バルブ 測定値(約2m) 6,400cdの目安(1,600lx)
ORION H4 Bi-LED 約1,996lx 超えている
ハロゲン(車検合格済み) 約1,672lx 超えている

LEDバルブはエルボー点の直下あたりで最大約1,996ルクスとなり、6,400カンデラ以上を確認できました。車検合格済みのハロゲンは約1,672ルクスで、こちらも基準を超えています。絶対値でも、LEDバルブのほうがハロゲンより明るいことがわかります。

ハロゲンバルブの測定値(約1,672lx)

ハロゲンバルブの測定値(約1,672lx)

※スマホアプリによる簡易測定のため、数値はあくまで参考値です。

総評

夜間走行での見え方の比較

夜間走行での見え方の比較

撮影後に実際に夜道を走ってみると、カットオフラインより下の路面を照らすロービームはハロゲンより明らかに明るく、よりワイドに照らせるので、夜間走行の安心感が大きく高まりました。カットオフラインより上の光漏れもハロゲンより明らかに少なく、照らしてよいところとそうでないところの明暗がはっきりしたバルブだと感じました。

最終的に車検に通るかどうかは、テスター屋さんの光軸調整次第ですが、今回確認した限りでは、非常に明るく、かつ車検に対応し得るLEDバルブだと思います。ハイビームももちろん使え、消費電力がロービームより高い分、より明るく遠くまで照らせるので、対向車がいないときに前方をしっかり確認できます。一度使ってみる価値は十分にある製品です。

良かった点

  • ロービームがハロゲンより明らかに明るく、ワイドに照らせる
  • カットオフラインが鮮明で、上方への光漏れが少ない
  • エルボー点があり、その直下に最大光度がある(光軸調整しやすい)
  • 光度の簡易測定で、6,400カンデラの目安を余裕を持って超えた
  • ドライバー内蔵の配線レスで、純正と同じように取り付けられる
  • 冷却ファンが静かで、車内では音が聞こえない

気になった点

  • バルブが純正ハロゲンよりかなり大きく、リフレクターにプロテクターが付いたライトなど、取り付けられない車種もある
  • カプラーの向きが純正と異なるので、取り付け時に確認が必要
  • 車検に通すには、最終的にテスターでの光軸調整が必要

こんな人におすすめ

  • ハロゲンバルブの車で、夜間走行をもっと安心したい人
  • 1998年9月以降のネオクラで、ロービーム計測の車検に備えたい人
  • LED化したいが、光漏れや車検への影響が気になる人

購入情報

ORION H4 Bi-LEDは、楽天市場とYahoo!ショッピングで購入できます。

購入前には、お使いの車のヘッドライトがH4で、バルブの大きさに対応できるかを確認してください。


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