「MAXWIN OBDII AI OBD2-EDI01」車のコンディションをスマホで簡単にチェック出来、エラーコードを消去出来る診断機

こんにちは。元エンジン要素研究員上がりの自称モータージャーナリストの大林寿行です。

2ヶ月くらい前になりますが、MAXWINよりOBD2-EDI01が登場しました。

この製品は、OBD2搭載の車であれば、車のコンディションを簡単に把握出来る用品で、チェックランプが点灯した場合、詳細の不具合の分析に役立つ製品となっています。

また、トラブルコードクリア機能が付いており、チェックランプが着きっぱなしで車検が心配という場合など、エラーコードをリセットしたい場合にも便利な製品です。

今回、MAXWINさんよりMAXWIN OBDII AI OBD2-EDI01をご提供頂きましたので、実際にこの製品を使用して実機レビューをして行きたいと思います。

OBD2-EDI01の仕様と特徴

「OBD2-EDI01」のスペックは以下の通りです。

製品名OBDII AI
接続方法BT4.0/5.4/BLE
入力電圧DC 9-16V
定格電流20mA-30mA
作動温度範囲-20〜60℃
保存温度範囲-20〜60℃
対応OSAndroid4.3〜/iPhone iOS12.0〜
対応車種OBD2搭載車に対応(日本車:2005年〜、アメリカ車:1998年〜、ヨーロッパ車:2002年〜

  • スマートフォンで簡単操作
  • AI検索機能
  • OBDII診断機能
  • クイックスキャン機能
  • エラーコードクリア機能
  • データストリーム機能
  • ルート分析
  • 30000件以上の故障コードのデータベース搭載
  • メーターパネル表示機能
  • 電源ON/OFFボタン付き

セット内容とデザイン

MAXWINさんよりご提供頂いたセット内容は以下の通りです。

パッケージ

本体

本体裏側

製品は技適認証済みです。

以下、総務省の電波利用ポータルより確認が出来ます。

総務省 電波利用ポータル | 技術基準適合証明等を受けた機器の検索
基準認証制度,技術基準適合証明,技術基準適合自己確認

日本語表記の取扱説明書

取り付け方法

今回もホンダフィット3 GK3型に取り付け致しました。

OBDII搭載車は、日本車の場合、2005年モデルから、ヨーロッパ車の場合、2002年モデルから、アメリカ車の場合、1998年モデルからとなります。

GK3型のフィットは、2013年モデルで既にOBDIIが搭載されている車ですので、問題なく使用する事が可能です。

本体をOBDIIコネクターに差し込みます。

水色のボタンにより、電源ON/OFFする事が可能です。

定格電流は20mA〜30mAとなっており、一日当たりの最大消費電力は0.03A×24h=0.72Ah、1ヶ月で21.6Ahです。

一般的な車のバッテリー容量が50〜80Ahとすると、1ヶ月電源ONのままでもバッテリー上がりの心配が少ない消費電力と考えて良いと思います。

Bluetoothによりスマホと接続されると、緑のランプが点滅するようになっています。

接続方法

スマホにOBDII AI 専用アプリをインストールします。

本体の電源は入れたままで、アプリを展開すると自動でペアリングが始まります。

ホームページの機能

デバイスとペアリングが完了すると、ホームページの画面が表示出来るようになります。スマホだけではなく、Android OS搭載のディスプレイオーディオでも使用する事が可能です。使用しているディスプレイオーディオは、ATOTO A5Lになります。

データストリーム

上記ホームページのデータストリームをタップすると、車両センサーから取得された様々な測定値が表示されます。

数値だけでなく、グラフで表示する事も可能です。

ダッシュボード

ダッシュボードは、以下の3通りから選択が可能です。

スマホを使用する前提でレイアウトされていると思いますが、速度、エンジン回転数、吸気流量、IN側水温がリアルタイムで表示が可能です。

横置きタイプ

縦置きタイプ

走行分析

走行分析は、走行後、以下の計測項目のデータが表示されます。

性能テスト

性能テストは、車の0-60km/h加速、0-100m加速の2つの動力性能と、60-0km/hの制動性能を計測する事が可能です。また、タイミングに合わせて、水色のボタンを押す必要はなく、予め押してセットしておけば自動で計測が可能です。

診断機能

ホームページのアイコン右側の診断をタップすると、以下が表示されます。

OBDII AI

OBDII AIをタップすると、deepseekを使ったAI検索が可能です。

例えば、U0155というトラブルコードの意味が分からない場合、このコードを入力する事によって、詳細について教えてくれます。

故障診断とトラブルコードの消去

水色の診断開始をタップすると、ECU内のデータをスキャンする事により、車両診断をする事が可能です。診断した結果、信号システムに故障コードが見つかりました。

一番下右側黄色の故障コードリストをタップすると、以下の表示が出てきますので、診断しているメーカーと車両を検索します。

トラブルコードとその内容が記載されたページが表示され、一番下の故障コードをクリアをタップします。

故障コードをクリアという通知が表示されるので、確定をタップする事によってエラーコードの消去が出来るようになっています。

エラーコードの認識と消去の確認

実際に車両にトラブルを擬似的に作って、エラーコードの認識とトラブルが改善した際に消去出来るのかを確認してみました。

以下のようにエアフロメーターを外した状態でエンジンをかけます。

ストールするもののエンジンはかかりますが、エンジンチェックランプが点灯します。また、車両に関わるその他の警告灯も漏れなく点灯しました。

この状態で診断してみると、信号システム以外にパワートレーンシステムにエラーコードが新たに出るようになりました。

エラーコードの内容を確認してみると、エアフロ及び吸気温度センサーのトラブルとなっているので、エアフロが外された状態によって故障している事を検知し、しっかり車両状態に合ったトラブルコードが認識されました。

チェックランプ点灯の際、MILもオンとなっていました。

次にエラーコードを消したい場合は、一度エンジンをオフにして、エンジンをかけていない状態で、ACCだけを入れた状態で故障コードをクリアします。エンジンをかけている状態では、エラーコードが消えない場合がある為です。

それによって、パワートレーンシステムのエラーコードは消え、また、原因不明だった信号システムのトラブルコードも消去する事が出来ました。

車両のチェックランプは、故障コードをクリア直後には消えませんが、再度電源を入れ直して、ACCの状態を保持する事によって、チェックランプは消えてくれます。

また、エンジンチェックランプが消えても、車両に関わるチェックランプが消えない場合は、一度車を走らせてから再度電源を入れ直して、IG/ONでチェックランプは消えてくれます。

フルスキャン

診断開始下のフルスキャンをタップすると、以下のクイックスキャンの診断項目が表示されます。

データを出力した場合には、PDFによりエクスポートが可能です。

フリーズフレーム

フリーズフレームのアイコンをタップすると、以下の画面が表示されます。

I/M準備完了

I/M準備完了のアイコンをタップすると、以下の画面が表示されます。その結果、加熱された触媒及び2次エアシステムが不合格と出ました。

MIL状態

MIL状態のアイコンをタップすると、MILのON/OFF状態、故障コード消去後の距離、エンジン稼働時間等が表示されました。

O2センサー

O2センサーのアイコンをタップすると、以下の画面が表示されました。ホンダフィット3 GK3型ではデータ検出がされないようです。

モード6

モード6のアイコンをタップすると、以下の画面が表示されました。これまでの各項目の状況を辿って行くと、排ガス性能に関わる2次エアシステムと触媒のO2センサーにトラブルが出ている可能性がある情報が得られました。

車両情報

車両情報のアイコンをタップすると、以下の画面が表示されました。

エンジンカーボン測定

エンジンカーボン測定のアイコンをタップすると、以下の画面が表示されました。

エンジンアイドリング中のスロットル開度、エンジン回転数、冷却水温の計測により、エンジン内のカーボンの堆積の有無を判定してくれます。測定した結果、正常でした。

燃料補正測定

燃料補正測定のアイコンをタップすると、以下の画面が表示されました。空燃比A/Fも特に問題なく、吸気及び燃料系の異常は見られないようです。

空気流量測定

空気流量測定のアイコンをタップすると、以下の画面が表示されました。吸気流量に対してエンジン負荷が高い為、吸気系の要点検となりました。

空気流量の測定で、吸気流量が少ないため、エアクリフィルターの交換が必要かも知れない事が分かりました。

そこで、この測定が本当に正しいのかどうかを確認するため、エアクリフィルターを外せば吸気流量が改善されるはずなので、実際に取り外した状態で診断結果が変わるかどうかを確認してみました。

エアクリフィルターを外すと診断結果がOKになりました。よって、エアクリフィルターの汚れの度合いが診断結果からある程度想定出来る事が分かりました。

詳細

更に診断右横の詳細のアイコンをタップすると、以下の画面が表示されました。

レポート

診断開始下のフルスキャンをタップすると、以下のクイックスキャンの診断項目が表示されましたが、そのレポートがここでも確認出来るようになっています。

故障コード検索

故障コードは、deepseekにより内容の詳細を調べる事が可能ですが、ここでも同様の事が出来るようになっています。

総評

最後に「MAXWIN OBDII AI OBD2-EDI01」の総評です。

この製品は、OBDII搭載車であれば、そのコネクターにドングルを差し込むだけで、日常使用しているスマホやディスプレイオーディオを使用して、ECU内の情報を表示して、車のコンディションが確認出来る、非常に身近でお手軽な診断機となっています。

今回、私が日常の足車として使用しているホンダフィット3 GK3型に取り付けて診断してみましたが、最初にU0155という故障コードが検出され、更に擬似的にエアフロメーターを外して作動確認をしてみましたが、適切なエラーコードが表示されましたし、消去する事も出来ました。

また、監視システムテストにおいて、2次エアシステムと加熱された触媒が不合格だった事や、空気流量測定でも不合格だった事から、吸気系に何らかのトラブルが出ている診断結果でしたが、実際に長年交換していなかったエアフィルターを外した状態で診断した結果合格だった事から、車両のコンディションを見分ける事が出来る事も分かりました。

よって、1つ持っていると車両の不具合時の特定に素早く対応が出来る役立つ製品だと思いました。

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