QC3.0の入力に対応するモバイルバッテリーが、ドライブレコーダーの駐車監視の外部電源として優秀である可能性を秘めていると感じましたので、このページではQC3.0の説明とQC3.0の入力に対応するモバイルバッテリーや周辺機器を紹介します。
QC3.0対応製品自体がまだそれほど多くはないのですが、現状かなり注目されている規格ではあります。
なお、最近はモバイルバッテリーの普及率が上がり、少ながらず発火事故が発生していますので安全対策は自己責任でお願いします。
■ モバイルバッテリーから給電・充電出来るドライブレコーダー
因みに東京消防庁の報告によると平成23年から28年11月までの間にリチウム電池関連の火災が65件発生しており、モバイルバッテリーやスマホの普及に伴って件数は急上昇しています。
このうち、モバイルバッテリーが原因となるのが12件だそうです。
東京消防庁の管轄は東京都内ですので都内の発生件数だと思いますが、確率的にはそれほど高くないにしても夏場の車内でモバイルバッテリーを使用するなら熱対策や延焼対策を施した方が良いと思います。
もくじ(クリック・タップで移動できます)
QC3.0とは?
QC3.0(クイックチャージ)とはクァルコム社の最新の急速充電規格で、QCの中では3番目のバージョンです。
新しい充電規格としてはGoogleが推奨しているUSB Type-C PB(パワーデリバリー)に匹敵する認知度かと思います。
■ USB Type-CのPD入力・出力対応のモバイルバッテリー
QC3.0の細かい仕組みはさておき、簡単に説明するとPBと同様に充電のホストとクライアントのデバイスが通信を行い、最適な充電圧・電流量を相談しながら充電を行う仕組みと言えます。
QC3.0に使用するケーブルはandroidスマホやタブレットなどに一般的に使用されているUSB-A to microUSBタイプとUSB-A to USB-Cの形状のものがありますが、製品に「Quick Charge3.0対応」と記載されていないものは使えないものがあると思います。(4芯の電源・通信ケーブルが絶対条件かと)
因みにQC3.0やUSB-C PDは規格の開発元やGoogleなどの利権絡みで何やらゴタゴタしているらしく、GoogleのエンジニアがUSB-A to USB-CのケーブルでQC3.0を使用するのはUSB-Cの規約違反である為おすすめ出来ないなどと表明したり、それに対するクァルコムの反論もなされているようです。
この最新の充電規格は、仕様も複雑ですが利権も複雑に絡み合っている為、ユーザーにとっては何がベストな選択なのか訳が分からなくなりつつあります。
QC3.0のメリット
QC3.0のメリットは24Wまでの出力で従来の2~4倍程度の急速充電が可能な点ですが、スマホやタブレットなどのデバイスをハードに使う人以外にはあまり恩恵は多くないかも知れません。
ただし、車載でモバイルバッテリーを外部電源としてドライブレコーダーの駐車監視を行う人には、短い走行時間でバッテリーにより多くの給電が可能である為、運用方法によってはメリットが大きくなる人もいるかと思います。
QC3.0規格を運用する為に必要なもの
この辺りはUSB Type-C PB(パワーデリバリー)と同様かとは思いますが、QC3.0規格を運用するためには、充電器・デバイス・ケーブルの3つがQC3.0に対応したものである必要になります。
車載で考えるのであればシガーチャージャーとケーブル、モバイルバッテリーがQC3.0対応という事になりますね。
また、それぞれの機器の最大出入力のうち最も小さい値がボトルネックになりますので、QC3.0のメリットを最大限に享受する為には24W以上の出入力に対応したものをそれぞれ選ぶ必要があります。
QC3.0対応の家庭用アダプター
RAVPowerは2011年にアメリカで操業を開始したスマホアクセサリーメーカーですが、最近はRAVPower製の充電器・シガーチャージャー・モバイルバッテリーをいくつかテストしています。
もともとRAVPowerさんからレビューの投稿依頼があったのですが、そこで頂いたサンプルがなかなか高性能だったので、追加でいくつか買い揃えつつあります。(笑)
家庭用のアダプターではQC3.0×1ポート、5V/2.4A×1ポートがエントリーモデルとなっており、5V/2.4A×3ポートのものも発売されています。
2ポートタイプは30Wが最大出力なので、QC3.0充電をしながらもう1ポートを塞ぐと若干出力が不足するかも知れません。
売り上げランキング: 1,761
こちらが合計4ポートのモデルですが、同様に最大で40W出力の為、QC3.0ポートを使うなら他のポートは1ポートまでしか最大のパフォーマンスを発揮できない可能性があります。
売り上げランキング: 35,725
QC3.0対応のシガーチャージャー
こちらもRAVPowerの製品ですが、全く同じデザインでQC3.0+5V/2.4Aの2ポートタイプ、QC3.0の2ポートタイプがあります。
最大出力はそれぞれ36W/40Wですので、QC3.0×2ポートのものよりもQC3.0+5V/2.4Aタイプの方が必要充分な機能で価格も抑えられており、コスパが高いです。
※QC3.0×2ポートを2ポートともガッツリ運用するとトータルで出力が不足する気がします。
売り上げランキング: 806
QC3.0出力・入力対応のモバイルバッテリー
こちらもRAVPowerの製品になります。
売り上げランキング: 41,215
入力側はQC3.0とUSB Type-Cに対応していますがPD(パワーデリバリー)には非対応ですので急速充電はQC3.0ポートのみと考えた方が良いでしょう。
この「RP-PB043」についての放電・充電・給電能力に関しては以下のページでテスト結果を報告しています。
■ QC3.0で急速充電 RAVPower20,100mAh「RP-PB043」のレビュー、評価
QC3.0対応のモバイルバッテリーのまとめ
現在は新しい急速充電規格が乱立しつつあり、ただでさえ良く分からない状態になっています。
モバイルバッテリーの入力ポートに関しても5V/2.0Aを2つ搭載した20W、USB Type-C PDの30W、QC3.0の24Wなど、様々な規格が出回り始めています。
同じ規格に合わせても機器の相性や微妙な仕様の違いで期待したような出力が得られないケースもありそうなので、なかなか選ぶのが難しい部分があるのですが、とりあえず上で紹介したRAVPowerの「RP-PB043」については、そこそこ期待値に近い結果が出たかと思います。
最速は一体どれなんだ?と言うのが非常に気になるところですので、新しく気になる物を見つけたらその都度テストして行こうと考えています。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント