ドライブレコーダー用のモバイルバッテリーについて調べていたところ、なかなか良さそうなAUKEY「PB-N15」20,000mAhという製品が見つかったので、AUKEYさんにお願いして製品を供与して頂きました。
このAUKEYという会社は香港の北に位置する中国の深センにある会社のようで、電子デバイスの工場が集中しているエリアです。
日本で販売されているドライブレコーダーも(一部の日本メーカーも含めて)このエリアで製造されているものが多いはずです。(どのメーカーとは言えませんが)
なお、AUKEYの製品はカーチャージャーやスマホのケーブル類などがAmazonで販売されていますが、2年位前に購入したカーチャージャーは、価格が安い割に品質が安定していると感じましたので、今回のレビューに踏み切りました。(中国メーカーは当たり外れが大きいので)
■ スマホやiPhone、アイコスの車のシガーソケットからの充電が遅い、充電できない時の対策
なお、最近はモバイルバッテリーの普及率が上がり、少ながらず発火事故が発生していますので安全対策は自己責任でお願いします。
■ モバイルバッテリーから給電・充電出来るドライブレコーダー
因みに東京消防庁の報告によると平成23年から28年11月までの間にリチウム電池関連の火災が65件発生しており、モバイルバッテリーやスマホの普及に伴って件数は急上昇しています。
このうち、モバイルバッテリーが原因となるのが12件だそうです。
東京消防庁の管轄は東京都内ですので都内の発生件数だと思いますが、確率的にはそれほど高くないにしても夏場の車内でモバイルバッテリーを使用するなら熱対策や延焼対策を施した方が良いと思います。
もくじ(クリック・タップで移動できます)
AUKEY「PB-N15」20,000mAhのスペック
「PB-N15」のスペックは20,000mAh、給電用USBポート×2、入力5V/2.1A、最大出力5V/3.1Aとなっています。
現状手持ちのモバイルバッテリーは5個あるのですが、そのうち20,000mAhクラスの大容量の物は3つあり、パススルー機能がついているものはソニーのCycle Energy「CP-B20」20,000mAh、パススルー機能なしの物はEC Technology「Power Bank」22,400mAhとなります。
このクラスのモバイルバッテリーの中では比較的小さ目で、サイズは「155mm×80mm×23.5mm」となります。
iPhone7と比べるとこんな感じです。(一番下はソニーの「CP-B20」20,000mAh)
他のモバイルバッテリーと比べると厚みが抑えられており、重量も控えめです。
まあ、USBポートの数は2個しかありませんけどね。(笑)
AUKEY「PB-N15」本体の重量は445g、ソニーの「CP-B20」は550g、EC Technologyの「Power Bank」は462gとなっていますので、この中では最軽量となります。
出張時には主にソニーの「CP-B20」を持ち歩いているのですが、タブレットPC・モバイルルーターなどと合わせると結構な重さになって来るので、このクラスとしては携帯性には優れていると思います。
正直、カバンが重いと長時間の移動は肩が痛くなるので、仕事で移動が多い人には普段使いもおすすめですね。
AUKEY「PB-N15」の出力検証
AUKEY「PB-N15」の出力状況をチェックする為、手元にあるガジェットでて当たり次第どれくらいの電流が流れるかテストしてみました。
流れる電流量が多いほど、急速充電が可能という事です。
試してみたのは次の4つのガジェットです。
- アイコス(iQOS)
- iPhone 7
- Windowsタブレット
- モバイルルーター
アイコス(IQOS)での充電状況
インジケーター2個点灯状態でいずれもケーブルはアイコスの純正品を使用しています。
- アイコスの純正アダプタ使用時~1.75A
- AUKEY「PB-N15」~1.3A
- ソニー「CP-B20」~1.55A
- EC Technologyの「Power Bank」~充電不可
「iPhone 7」での充電状況
39%の電池残量でいずれもケーブルはiPhone 7の純正品を使用しています。
純正のアダプタは充電が遅いので普段は使用しませんがテストの為にケースから引っ張り出してきました。(笑)
- iPhone 7の純正アダプタ使用時~安定の0.95A(笑)
- AUKEY「PB-N15」~1.48A
- ソニー「CP-B20」~1.55A
- EC Technologyの「Power Bank」~1.72A
Windowsタブレット ASUS「T100HA」での充電状況
63%の充電量でいずれもケーブルは「T100HA」の純正品を使用しています。
- 「T100HA」の純正アダプタ使用時~1.34A
- AUKEY「PB-N15」~1.73A
- ソニー「CP-B20」~1.31A
- EC Technologyの「Power Bank」~1.37A
モバイルルーター WiMAX「WX02」での充電状況
純正のアダプタ&ケーブルが別の場所にあるので、今回は汎用品のケーブルと普段iPhone7の急速充電に使用している、多摩電子の「AxinG」のアダプターを使用しています。
充電量は0%です。
- 「AxinG」急速充電アダプタ使用時~1.39A
- AUKEY「PB-N15」~1.38A
- ソニー「CP-B20」~1.39A
- EC Technologyの「Power Bank」~1.39A
AUKEY「PB-N15」はiQOSがやや遅めですが、他は比較的そつなくこなせる感じでしょうか?
Windowsタブレットの「T100HA」については、この3つのモバイルバッテリーの中では最速で充電が出来そうです。
AUKEY「PB-N15」の蓄電量の検証
モバイルバッテリーは表記の蓄電量の70%程度の値が一般的と言われていますが、AUKEY「PB-N15」の蓄電量について計測した結果、13,000mAh程度でしたので、表記の65%と言ったところです。(ある程度個体差もある)
なお、充電回数の目安としてiPhone 7 Plusを4.5回以上となっていますので、2900mAh×4.5回=13,050mAhでちょうどピッタリ合う感じです。
価格帯を考えればかなりコストパフォーマンスは高いと言えますね。
ドライブレコーダーでの運用状況
ドライブレコーダーや機器の組み合わせによっては、動作が不安定になり、再起動を繰り返す現象が確認出来ましたので、その場合の対策方法です。
AUKEY「PB-N15」はパススルー出力時に給電側の電圧が4.7V程度まで下降する為、一部のドライブレコーダーでは動作が安定しないケースが見受けられます。
対策としては次のような補助電源端子付きのUSB分岐ケーブルを使用します。
このケーブルは入力側がUSB×2、出力側がminiUSBとなっていますので、入力側のメイン端子を車両のUSBチャージャー、補助端子をモバイルバッテリーの出力端子に挿します。(どちらでも構わないと思うのですが…)
ドライブレコーダー側のminiUSBはケーブル長が短いので次のような延長ケーブルを使用します。
なお、上記のケーブルは納期に時間が掛かる為、今回は短めの90cmの物を使用しましたが、その状態ではUSBチャージャー側から給電され、かつモバイルバッテリーが充電されている場合には、電圧不足のモバイルバッテリーからの給電が止まり、5Vで安定しています。(この方がモバイルバッテリーの充電も早くなる)
※駐車監視中はモバイルバッテリーへの充電ケーブルは抜きます。
この方法なら別にパススルーのモバイルバッテリーでなくても便利に使用出来てしまう事に気が付いてしまったので、今後はあまりパススルーにこだわる必要がなくなったかも知れません…。
(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣)
コメント
はじめまして、いつも有意義な記事をありがとうございます。
ドラレコを調べ始めてこちらのサイトをみてから、毎日見てます!
お聞きしたかったのは記事にもなってます、パススルー搭載のモバイルバッテリーPB-N15(以下n15)についてです。
DRY-7000cと組み合わせて、簡易駐車監視にしようとおもったのですが
n15に給電しながらドラレコを接続すると起動しては再起動を繰り返してしまいます。
(設定は通常撮影モード、それ以外で使用したことも無いです)
n15の給電を無しにするとモバイルバッテリーのみで問題なく作動します。
パススルーで配線固定ならボタンを押す程度なら苦にはならないのですが、毎回配線をつなぎ直すのは…ドラレコも多くの方はルームミラー周辺の助手席側だと思いますし。
X-RUNとn15の組み合わせはOmi様の環境で大丈夫なようでしたので、見通しが立たなかったらX-RUNの購入が無難かなとは思っているのですが。
ソニーのサイクルエナジーなら相性問題に強いとか有れば、そちらを購入するのも良いかななどなど。
もしOmi様にこれらの相性とかを検証して頂けたらと思い、初めてコメント致しました。
乱筆乱文すみません。
びたみん様、ご質問ありがとうございます。
こちらで確認したろころ、n15+DRY-7000cのパススルーで再起動を繰り替えす現象は確認出来ませんでした。
原因として考えられるのは
①パススルー時の車両側からの電流の供給不足(USBチャージャー、ケーブル類、もしくはソケット側)
②microSDカードの相性か異常
③n15の個体の不良(パススルー時の出力が不安定)
家庭用の2A程度のUSB充電機でパススルー出力を行い安定するなら①が原因の可能性が高いです。
不安定なら③の可能性が高く、②については別のmicroSDカードで試しても同様であれば可能性は低くなります。
一度お試し頂けますでしょうか?
管理人Omi様
早速の回答、恐れ入ります。こんな時間にも関わらずありがとうございます。
管理人様の環境で再現しないようですので、なにかしら原因が有るって事ですね!
試行する元気がでます、感謝です!
参考にOmi様の使用機器(車載USB充電器、USBケーブル)を教えて頂けないでしょうか。
それらを揃えて、コメントで頂いた内容をテストしてみたい所存です。
どうかよろしくお願いします。
びたみん様
取り急ぎいくつかのソケットで確認しましたが、AUKEYのシガーチャージャーでの駆動自体は安定するものの、パススルー時の出力電圧を計測すると4.7V程度まで低下してしまっています。
ひょっとするとこれは「PB-N15」の仕様の可能性があるので、現段階ではソニーのサイクルエナジーを使用した方が良いように感じています。
サイクルエナジーの場合には5Vで安定します。
管理人Omi様
重ね重ねありがとうございます。
気になったので当方の環境でも、とn15とスマホ・タブレット等組み合わせて試しました。
n15単体だと5V・1~2A程度の出力数値になるのですが 給電(パススルー)状態になると4.6V前後・Aは半減程度という感じでした。
n15はつなぎで、監視が欲しいときは配線チェンジで使うしかなさそうですかね…
サイクルエナジー・記事になってた別のバッテリーも検討してみます。
こんばんは。
偶然にもびたみんさんと同じ環境を作ってしまいました(苦笑)
ドラレコはDRY-ST7000cで、モバイルバッテリーは容量違いのPB-N42を買いました。
USBポート(ヒューズボックスから電源取り)→モバイルバッテリー→ドラレコ
という簡単な接続を想定していました。
びたみんさん同じく、モバイルバッテリーに給電中にパススルーで使用すると、ドラレコが再起動を繰り返し、給電を切ると安定します。
電流不足かと思っていたのですが、電圧なのですね。
紹介されている物とは違いますが、電源補助ケーブルを使用し、別のUSBポートと併用でも安定しませんでした。
また、Xiaomi Mi Power Bank 2 という別のモバイルバッテリーでも同じ状態です。
電源ボタンを押さなくても給電できるモバイルバッテリーを使いたかったんですけどね。
今はMOPOの20000mAhを使っています。
これは電源ボタンを押さないと給電しないタイプですが、パススルーでも安定してドラレコを作動させてくれました。
エンジンオフでUSBポートからの給電が無くなると、放電も止まる仕様のようで、ドラレコはオフになります。
電源ボタンを押せば給電が始まるので、これはこれで利点になります。
駐車監視するかしないかを、降車時に電源ボタンを押すか押さないかで選べるのです。
(週末ドライバーなので、日曜の夜に駐車監視を使うと当然翌土曜日には充電が0になってしまうので、出先の駐車場でだけ駐車監視するような使い方をしています)
駐車監視中にエンジンオン(パススルーに切り替わる)すると、瞬断が起きてドラレコが再起動してしまいますが、これは大した問題ではありません。
このサイトをいろいろ読ませていただいたのですが、モバイルバッテリーの逆流を考慮していなかったので、USBポートへの配線にダイオードを仕込もうと思います。
みちかわ様
情報のご提供ありがとうございます。
DRY-ST7000cはもともと省電力のモデルなのでちょっとした電圧と電流の変化に弱い気がします。
MOPOの20000mAhはなかなか駐車監視に向いている仕様のようですね。安いので試してみます。
モバイルバッテリーの逆流については実際にどれくらい逆流するのか分かりませんが、やるに越したことはないと思いますね。
50系プリウスにパパコ30Gのドライブレコーダーをつけています。駐車時にモバイルバッテリーPB-N15で給電したく、Groovy 電源補助ケーブル付USBケーブル GM-UH004、usbオフタイマーを使いましたが、エンジンを切るとUSBチャージャー側から電流が逆流するみたいで、降車時にメッセージが出てドアロックできない状況です。USBチャージャー側のスイッチでオフにすると大丈夫なのですが、バッテリーなどに悪影響はないものですか?USBチャージャー側にダイオードをつけずに解決方法何かありませんか?ご教示おねがいます。
totoro様、ご質問ありがとうごさいます。
>USBチャージャー側のスイッチ、とありますが、具体的に使用機器をお教えいただけますか?
早速のご返答ありがとうございます。
遅くなりましたが、古くて商品名はわかりませんが、オン・オフスイッチ付き3連ソケットのシガーソケットチャージャー です。
よろしくお願いします。
totoro様
ダイオードを使用しない方法はいろいろ考えていはいるのですが、今のところ思い浮かびません。
ダイオード入りのシガーチャージャー、もしくはモバイルバッテリー等があれば良いのですが…
現状、スイッチでチャージャーの電源をオフ出来るのであれば、車両側とは絶縁されていると思いますので、おそらく問題はないかと思います。
ご回答ありがとうございます。
取りあえずこのままの状態で使ってみます。
また、今使っているusbケーブル等に5極リレーを組み込み、スイッチを使わずに自動でモバイルバッテリーに切り替わる具体的な方法があればご教示願います。
totoro様
文面だけだと現在の環境や細かい接続状況が分かりにくいので、接続部分の画像を以下のアドレス宛にお送り頂けますか?
「info〇car-accessory-news.com」(〇を@に置き換えてください)
よろしくお願いします。
管理人omi様
「info〇car-accessory-news.com」(〇を@に置き換えてください)のアドレスでは送信できないみたいです。
他のアドレスがあればお願いします。
配線について、画像がありませんが、次の通りです。
①50系プリウスのシガーソケットにオン・オフスイッチ付き3連シガーソケット&USBチャージャーを挿入
②オン・オフスイッチ付き3連シガーソケット&USBチャージャーに、
「Groovy 電源補助ケーブル付USBケーブル GM-UH004」のメインUSB端子を挿入
③「電源補助付USBケーブル」の出力側のUSB端子は、延長ケーブルを介して「パパゴGoSafe 30G」のドライブレコーダーの電源ポートに挿入
④「モバイルバッテリーPB-N15」の給電ポートに「Groovy 電源補助ケーブル付USBケーブル 」のサブUSB端子を挿入
この配線で5極リレーを組み込み、スイッチを使わずに自動でモバイルバッテリーに切り替わる具体的な方法があればご教示下さい。
totoro様
ご使用の環境の問題点は
①エンジンオフの際にモバイルバッテリーから出力された電流が「サブ端子→ドラレコ」だけではなく「メイン端子」の方にも流れて車両に異常検知される
②おそらくモバイルバッテリーの充電ポートも「3連シガーソケット&USBチャージャー」と接続されている事と思いますが、この状態だと①と同様に、モバイルバッテリーから出力された電流が「サブ端子→ドラレコ」だけではなく、モバイルバッテリーの充電にも回る事になります。
必要なのは
①エンジンオフの際の「メイン端子から車両への逆流の防止」
②エンジンオフの際の「メイン端子からモバイルバッテリーの充電ポートへの給電の防止」
の2点です。
残念ですが、5極リレーではこの2つの問題を解決できないと思います。
モバイルバッテリーへの充電用のポートと、「Groovy 電源補助ケーブル付USBケーブル GM-UH004」のメインUSB端子」を挿すポートが同じ3連ソケット内で繋がっていると問題が発生するかと思いますので、3連を使用するならスイッチで絶縁、そうでなければ単独のソケットを2つ用意し、それぞれに4極リレーもしくはダイオードを入れる方法になってしまうかと思います。
はじめまして。
PB-N15でユピテルのDRY-ST3000Pを駐車中も監視として使おうとしたところ、再起動を繰り返したり、録画準備中で正常動作が出来ませんでした。
色々調べていたところ、こちらのHPにたどり着きました。
「電圧」というキーワードをいただいたので純正シガーの出力を調べたところ5.59Vでした。(USBが5Vなので、少し高め)
これに合わせるように昇圧回路を組み込むことで完全動作させることができました。
皆さんのお力になれたらと思って投稿させていただきます。
(ただし自己責任でお願いします。)
たか様、情報のご提供ありがとうございます。
ユピテルの2017年モデルは、供給電力がかなり抑えられており、電圧のブレに対しての遊びがないみたいなんですよね。
おそらくマルチバッテリーで運用する事を前提に省電力化されているんでしょうが、カスタマイズがやや難しいですね。