車検の前にタイヤを交換しておいた方が良いかどうかは、その時の車のタイヤの状態によりますが、車検に通らない事が分かっているなら事前に交換しておいた方が良いかも知れません。

因みにタイヤに関する保安基準は以下の通りになっています。

保安基準 第167条 走行装置

自動車の走行装置の強度等に関し、保安基準第9条第一項の告示で定める基準は、次項に掲げる基準とする。

スポンサーリンク

2 自動車の走行装置は、堅ろうで、安全な運行を確保できるものでなければならない。

この場合において、次の各号に掲げるものはこの基準に適合しないものとする。

  • 一 ハブボルト、スピンドル・ナット、クリップボルト、ナットに緩み若しくは脱落のあるもの又は割ピンの脱落があるもの
  • 二 ホイール・ベアリングに著しいがたまたは損傷があるもの
  • 三 アクスルに損傷があるもの
  • 四 リム又はサイドリングに損傷があるもの
  • 五 サイドリングがリムに確実にはめこまれていないもの
  • 六 車輪に著しい振れがあるもの
  • 七 車輪の回転が円滑でないもの

3 軽合金製ディスクホイールであって、別添2「軽合金製ディスクホイールの技術基準」に基づき鋳出し又は刻印により表示されており、かつ、損傷のないものは、前項の「堅ろう」とされるものとする。

4 自動車の空気入ゴムのタイヤの強度、滑り止めに係る性能等に関し、保安基準第9条第2項の告示で定める基準は、次の各号に掲げる基準とする。

  • 一 自動車の積載状態における軸重を当該軸重に係る輪数で除した値であるタイヤに加わる荷重は、当該タイヤの負荷能力以下であること。
  • 二 接地部は滑り止めを施したものである、滑り止めの溝(最高速度 40km/h 未満の自動車、最高速度 40km/h 未満の自動車に牽引される被牽引自動車、大型特殊自動車及び大型特殊自動車に牽引される被牽引自動車に備えるものを除く。)は、タイヤの接地部の全幅(ラグ型タイヤにあっては、タイヤの接地部の中心線にそれぞれ全幅の4分の1)にわたり滑り止めのために施されている凹部(サイピング、プラットフォーム及びウエア・インジケータの部分を除く。)のいずれの部分においても 1.6mm (二輪自動車及び側車付二輪自動車に備えるものにあっては、0.8mm)以上の深さを有すること。

この場合において、滑り止めの溝の深さについての判定は、ウエア・インジケータにより測定しても差し支えない。

  • 三 亀裂、コード層の露出等著しい損傷のないものであること。
  • 四 タイヤの空気圧が適正であること。

車検の際のタイヤについての合否の基準

前述の保安基準から、タイヤの溝は1.6mm以上なくてはならないとされています。

advan-a13c-7500km (1)

中心の溝があっても両肩の溝がない場合は不適合となります。

タイヤのヒビがあまりにも多くなっているものに関しても不適合です。

スポンサーリンク

また、アルミホイールを装着している場合、乗用車はJWL、軽トラやトラックなど貨物車の場合はJWL-Tの表示があるものでなくてはなりません。

バモスなど乗用と貨物のラインアップがあるものは乗用ならJWL、貨物ならJWL-Tを取り付けなくてはなりません。

また、ホイールをぶつけるなどして大きく歪んだり割れたりしているものも不適合です。

タイヤに関しても同様で、貨物には貨物用のタイヤを取り付けなくてはなりません。

タイヤを交換するかどうかの判断基準は?

タイヤは溝があれば良いというわけではありません。

古いタイヤは溝があっても大量にヒビが入ってくるのでバーストの危険が高まります。

溝があるから交換するのはもったいないと思われる方も多いと思いますが、大量にヒビが入っているものは危険ですので残念ながら車検には通りません。

サイドウォール(タイヤ側面)、トレッド面(接地面)どちらのヒビでも不適合です。

スポンサーリンク

2015y05m28d_113524559

保安基準に適合しないタイヤを使うとどうなるか?

タイヤの溝が少ない場合(ノーマルタイヤ)

乾燥した舗装路面では問題ありません。

しかし、雨が降った場合は非常に危険な状態になります。

タイヤの溝というのは接地面の雨などを排出する役目があるのですが、溝が少ないため十分に雨を排出できなくなります。

これにより少しの雨でもハイドロプレーニングを起こしやすくなります。

ハイドロプレーニングが起きると滑って止まらないばかりかハンドル操作もほとんど受け付けなくなります。雪で滑っているのと同じような状態です。

 

そのため、重大な事故につながる危険性が高まります。

さらに、もし事故を起こしてしまった際はタイヤの溝がないということで自身の過失割合が増加する可能性も十分にあります。

また、舗装していない路面においてはグリップ力が非常に低下して進行方向だけでなく横滑りもする可能性があり、危険です。

タイヤの溝が少ない場合(スタッドレスタイヤ)

スタッドレスタイヤは雪道に使う場合は4~5mm程度が限度とされます。

タイヤにスリップサイン(ウエア・インジケータ)とは別にプラットフォームと呼ばれるものがあり、雪道で使う場合の使用限度を示しています。

スタッドレスタイヤの大きな縦溝は、雪や水を排出する目的があり、横溝やサイピング(細かい溝)は雪をつかんでグリップ力を高めるためのものです。

溝が少ないとそれらの性能が低下してしまうので、なかなか前に進まない上に止まらないという危険な状態になってしまいます。

 

しかしながら、雪道以外で使う場合は溝が1.6mm以上あれば問題ありません。

タイヤのワイヤーが出てしまった場合

タイヤの溝がない状態で更に使っているとワイヤー(コード層)がでてきてしまいます。

タイヤが偏摩耗して中心の溝はあるが外側はワイヤーが出てしまうという場合もあります。

ワイヤーがでてしまうと非常に危険です。

グリップ力が低下するばかりか、タイヤがいつバーストしてしまってもおかしくありません。

早急に交換が必要です。

ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤはなぜ使い分けるのか

主に次の理由が挙げられます。

  • スタッドレスタイヤの方がノーマルタイヤよりも乾燥路面でのグリップ力が低いため
  • スタッドレスタイヤの方がノーマルタイヤよりもハイドロプレーニングが起こりやすいため
  • スタッドレスタイヤの方がノーマルタイヤよりもゴムが柔らかくて減りやすいため
  • スタッドレスタイヤを一年中使っているとゴムが硬くなってしまい、雪道でのグリップ力が低下してしまうため

オールシーズンタイヤというものも存在しますが、雪の非常に少ない地方で使うものであり、スタッドレスタイヤとノーマルタイヤの中間くらいの位置づけです。

ほとんど雪の降らない地方でオールシーズンタイヤを装着していれば少し雪が降ってもタイヤ交換が不要であるというメリットはあります。

しかし、性能としては悪い言い方をすればノーマルタイヤにもスタッドレスタイヤにも及ばず中途半端です。

タイヤのヒビが多い場合

タイヤは車重を支えていますが、ヒビが大量に入った場合はその荷重を支えきれなくなったり、走行の回転に耐えられずにバーストしてしまう可能性が高まります。

サイドウォール・トレッド面どちらのヒビでも危険です。

早めの交換が推奨されます。

車検でタイヤが不適合・・・すぐに交換してもらえるのか?

車屋さんはタイヤを在庫しているわけではありません。

いろいろな銘柄やサイズがあるためお客さんと相談してお客さんから注文をもらってからタイヤを発注します。

車検でタイヤが不適合になったらタイヤが用意できるまでたいていの場合最低2~3日はかかります。

一旦車を返してもらって再度持ち込むかそのまま預けるようになる場合が多いと思われます。

車検に通らないのが分かっているなら事前に交換しておいた方が、何かと不都合が少なくて良いかも知れません。

》》》通販で買ったタイヤの取り付けは?

交換の際にバランス調整はした方が良いのか

タイヤのホイールへの組込時はほとんどの場合バランス調整は行っています。

タイヤ交換の際にバランス調整というのは通常あまり行いません。

タイヤメーカーのタイヤ保管サービスというものは返却時にバランス調整を行ってくれるところもあります。

タイヤの回転バランスというのは摩耗により大きく崩れるものではありません。

ただし、走行によってバランスウエイト(バランス調整のための重り)が飛んでしまった場合ではバランスが崩れてしまう場合があります。

バランス調整は1本500~1000円程度かかりますので、バランスが崩れてタイヤが振動してしまうという場合を除いてバランス調整は不要だと思います。

バランス調整はタイヤ単体で行うのでタイヤを持ち込めば調整のみ行ってもらうことは可能です。

(ライター:自動車整備士 SkyLight)

スポンサーリンク