デリカD:5の中古車を選ぶ上でのポイント

国内の自動車メーカーの中でも“ある意味”話題の絶えない三菱自動車。

2016年の春には、三菱自動車の手がける軽自動車において、燃費偽装が発覚したばかり。

この事件を機に三菱自動車は日産自動車の傘下に入ることが決定しました。

ここ最近の三菱自動車といえば、燃費偽装やリコール隠しなどあまり明るい話題は少ないように思います。

しかし、三菱自動車と言えば国内でもかなりの大手。

そして多くの名車を世に送り出している日本を代表する自動車メーカーでもあります。

不祥事ばかりが目立ち、三菱自動車の商品にスポットライトが当たることはなくなってしまいましたが、数多くのヒット作を生み出しているのも事実です。

その中でも三菱自動車と言えばパジェロ、デリカの2トップではないでしょうか?

今回は現行モデルも人気のデリカについて紹介いたします。

デリカD:5ってどんな車?

三菱自動車と言えばパジェロ、アイ、EKワゴンなど多くの人気車種を抱える大手自動車メーカーですが、デリカもそんな三菱自動車の代表車種ではないでしょうか。

現在、三菱自動車から販売されているのはデリカⅮ:5。

「デリカ」とは「delivery car(デリバリーカー・荷物を運ぶ車という意味)」を略してデリカ、「D:5」とは「5代目」ということを表し名付けられています。

デリカD:5としてはまだ初代ですが、デリカと言えばワンボックスカーの先駆け的存在で先代モデルから非常に人気がありました。

デリカの歴史はかなり古く、1968年デリカバンとして誕生しました。

発売当初はなんと3人乗りの600㎏積載のデリカトラックがもとになり、その後派生モデルのデリカバン、デリカコーチというネーミングで箱型タイプの乗用車として発売されたのがデリカの始まりでした。

左が初代デリカ・右はデリカスターワゴンstory03_im_04http://www.mitsubishi-motors.co.jp

1979年には2代目となるデリカにフルモデルチェンジされます。

これまでのデリカバンに加え、デリカスターワゴンという名前で発売されました。少々わかりにくいですが、いわゆる商用向けのバンが「デリカバン」、自家用車向けが「デリカスターワゴン」という感じです。

50年も昔から、三菱自動車では商用と自家用の2タイプで展開されていたのですね。

1979年から発売されたデリカスターワゴンに転機が訪れたのは1985年の冬でした。

現在でも定番の人気グレードとして設定されている「シャモニー」が登場したのです。

デリカの中でもハイグレードとして登場したシャモニーは現在のデリカD:5まで愛され続けている人気グレードになりました。

2代目3代目とデリカスターワゴンという車名で販売されてきたデリカも、4代目の発売とともに「デリカスペースギア」へとフルモデルチェンジされます。

1994年、デリカスターワゴンの後継車主として登場した「デリカスペースギア」。

これまで日本国内で販売されてきたハイトールワゴンはすべてキャブオーバーというエンジンの上に運転席が設置されている構造になっていましたが、デリカスペースギアではキャブオーバー構造を採用せず、フロントエンジンになっています。

デリカはそれまで貨物を運ぶことに重点を置いていましたから、荷室が最大限に広く活かせるキャブオーバー構造でした。

しかし、自家用車として使用するにはフロントの長さが全くないため安全性の面で不安要素のある構造でした。

というのも、もしも正面衝突してしまった場合、キャブオーバー構造だとまともに運転席に衝撃が伝わってしまうからです。

デリカスペースギアではこの安全性を課題にフロントエンジン構造に変更することで、解決へと導きました。

デリカスペースギアは1994年から2007年という異例のスパンでの販売に幕を閉じ、2007年1月デリカスペースギアの後継車種であり、現行モデルであるデリカD:5が発売されました。

デリカD:5のおすすめポイントは?

現在、日本国内で販売されているミニバン、ワンボックスカーは、アルファード、ヴェルファイア、ノア、ヴォクシー、エスクァイア、エスティマ、エルグランド、セレナ、ステップワゴン、デリカD5のラインナップです。

中でも人気なのはミドルクラスのセレナやノア、ヴォクシーといったところでしょうか。

このクラスは7人、8人乗車できること、室内空間も広く、その割には2000㏄という排気量設定で維持費も手ごろなためにファミリー層にとても人気があります。

私も独身の頃はセダンが大好きで、ずっとセダン車に乗っていました。

ミニバンやワゴンの必要性を感じませんでしたし、ボディスタイルがどうにも好きになれずにいました。

結婚して、第一子を出産後も3年ほどはセダンに乗っていました。

3人家族にはセダンでも十分でしたし、スライドドアの車に乗ったこともなかったため、その便利さを知らずにいた、というのが正直なところです。

ところが、上の子が3歳になる年に、第二子が生まれました。

日本でのチャイルドシートの取り付けは6歳までが義務になっています。セダンにチャイルドシートを二つ付けると、当然ですが後部座席は埋まってしまいます。

この問題に直面した時、初めてミニバンの購入を検討しました。

それまで主人の好みのセダンに乗っていた我が家。

次の車を検討した時、何を購入すればいいのか、本当に悩みました。

セダンばかり乗ってきたため、欲しいと思えるミニバンの候補が見つからないのです。

主人も自動車業界の人間なので、当然人気があるのはニッサン セレナやトヨタ ノア・ヴォクシー、ホンダ ステップワゴンであることは知っていました。

でも、ミニバンを購入するにあたって何を一番に優先させて、何を妥協するか、決定的なポイントが見つからないまま3か月ほど経ったころ、主人の会社に中古のトヨタ アルファードが入庫しました。

6年落ちと年式はそこそこだったものの、走行距離は浅く、なんといっても両側スライドドア、サンルーフ、リアモニター、ボディカラーもブラックとフル装備。これを逃したらまた悩んで迷ってしまうかもしれない!とアルファードの購入に至りました。

唯一の欠点だったのが、内装が結構汚い!ということだけでした。

これにも理由があって、前オーナーさんは小学生の男の子を二人持つご家庭のかたでした。

そのご子息さんが、サッカークラブに所属されていたそうで、泥んこのままで乗車するんですよね。

そりゃあ汚れもします。

そんな我が家も男の子二人に恵まれていたので、ゆくゆくは同じように汚すことになるだろうと思ったら、室内の汚れはあまり気になりませんでした。

このアルファードを手放した前オーナーさんですが、なぜ手放すのかを聞いてみました。

サッカーをされているのであれば、ミニバンはすごく重宝するでしょうし、まだまだ距離も浅くて、修復歴もなく、外観はとてもきれいに乗っていたからです。

理由は簡単でした。

次ももちろんミニバンに代替えだったのですが、サッカークラブの試合や練習って決してきれいな場所ばかりではないんですよね。

みなさんも見かけたことあるんではないでしょうか、河川敷で試合をしている光景。

あの河川敷に乗り入れると、アルファードでは車高的にも車体的にも結構無理があったのだとか。

舗装されていない河川敷ではバンパーや腹下を擦ったり、ハンドルを切るのもちょっと気を使って運転していたそうです。

そこで代替えを決めた前オーナーさん。次に納車されたのはデリカD:5でした。

「ガンガン走れる、それでいてファミリー向けのミニバンがよかった」と話していた前オーナーさんがたどり着いたのがデリカD:5でした。

アルファードではオフロードには不向き。

車格が車格なだけに、河川敷や山道などの乗り入れは躊躇してしまうこともあったそう。

デリカD:5の魅力はそこにあると思います。

ただ、オフロードを走ること、アウトドアに活用したいのならパジェロやランクル、FJクルーザーでも事足りるのでしょう。

ですが、4人、5人家族で荷室も広くなければならないとなると必然的にミニバンが妥当。

その中でもデリカD:5は屈強なボディに4WDというタフさが売りとなって、アウトドア派のオーナーさんを中心に販売台数を伸ばしていきました。

街を走っていても一日に数台は目にするデリカD:5。

上にも書いた通り、デリカD:5の魅力はオフロードに適したボディスタイル。

最低地上高は2100mmとかなり高め。

フロントバンパーの角度も計算しつくされています。

そのうえクリーンディーゼルエンジン搭載で経済的(ガソリン車もあります)。

per00_im_01

デリカD:5オーナーさんとはご縁があるようで、我が家のお向かいさんもデリカD:5オーナーの一人です。

ご主人が大のアウトドア好き!というこのご家族は、年中通してデリカD:5を相棒にキャンプに出掛け、自宅の薪ストーブに使う薪を取りに子供と一緒に冒険へ出かけています。

こちらもまだまだ小さな男の子二人を持つご家族なのですが、チャイルドシートを2脚取り付けても室内は余裕。

3列目シートを跳ね上げれば、キャンプの荷物も、山で採った薪だって楽勝に乗ります。

main11

デリカD:5以外の国産ミニバンでは、こんなタフな使い方をできる車種はないのではないでしょうか?

イマイチなポイントは?

デリカD:5にはイマイチなポイントはさほどないように思います。

性能的には最高です。

しいて言うならば、スタイルが好み次第といったところです。

デリカD:5のタフな見た目は好き嫌いが分かれてしまいます。

ドレスアップが好きなオーナーさんよりは、オフロードを走るためのカスタムが好きなオーナーさんには向いているかもしれません。

そんなデリカD:5の中古車参考価格

2007年(平成19年)12.1万キロ・2400㏄・8人乗り・ガソリン・修復歴なし→118万円

2007年(平成19年)3.4万キロ・2400㏄・8人乗り・ガソリン・修復歴なし→183万円

2011年(平成23年)6.0万キロ・2400㏄・7人乗り・ガソリン・修復歴なし→220万円

2012年(平成24年)5.1万キロ・2400㏄・7人乗り・ガソリン・修復歴なし→239万円

2013年(平成25年)2.1万キロ・2200㏄・8人乗り・ディーゼル・修復歴なし→364万円

2016年(平成28年)9キロ・2200㏄・8人乗り・ディーゼル・修復歴なし→319万円

2016年(平成28年)8キロ・2400㏄・8人乗り・ガソリン・修復歴なし→282万円

■ カーセンサーで価格をチェックしてみよう!

デリカD:5の中古車を購入するときに押さえておきたいポイントとは?

デリカD:5は販売を開始して9年間で数回のマイナーチェンジをおこなっていますが、フルモデルチェンジには至っていません。

そのため、見た目には細部の違いしかありませんから、検討するとしたら見た目以外が重要になってきます。

どんな車種にも言えることですがグレードはもちろんのこと、デリカD:5では決めなければいけないポイントが結構たくさんあるんですよ~!

☑パワースライドドアの有無…助手席側のパワースライドドアは標準ですが、運転席側はグレードによってはついていないものや初期モデルは標準ではないものも。

両側パワースライドドアが希望であれば、要チェックポイントです。

☑4WDor2WD…デリカD:5という車種を選択した時点で「2WDじゃないと嫌だ!」という人はいないでしょう。

しかし駆動方式で排気量が違ってくるのです。駆動方式が違うということは少なからず燃費にも影響します。

三菱自動車の公式ページでは4WDクリーンディーゼル車の燃費は13.0㎞/l、4WDガソリン車の燃費は10.6㎞/l、2WDガソリン車の燃費は13.0㎞/lになっています。

全国の中古車の中でも、8~9割が4WD車両です。

ただし、思い込みは危険ですので確認はしておきましょう。

☑ガソリン車orクリーンディーゼル車…2013年から登場したデリカD:5クリーンディーゼル仕様。新車価格は高額であるものの、その後のコストパフォーマンスを考えると、頭そしてごなしには否定できないグレードです。

中古車の中でもクリーンディーゼルの台数はかなり少ないので、希望するとしたらそれ以外の条件の妥協も必要かもしれません。

☑乗車定員…ほとんどのミニバン、ワンボックスに共通するのですが、乗車人数が7人乗りのグレードと8人乗りのグレードがあります。

7人乗りは2列目シートがセパレート式、8人乗りはベンチ式かの違いです。

ちなみにですが、海外ではなぜか7人乗りは人気があり、輸出などでは7人乗りばかりが重宝されています。

☑排気量…デリカD:5では2WDガソリン車は2000㏄、4WDガソリン車は2400㏄、4WDクリーンディーゼル車は2200㏄という設定になっています。

排気量によって自動車税の金額が変わってきますから、維持費に違いが出てきますね。

ちなみに普通車の年間自動車税は~2000㏄→39,500円、~2500㏄→45,000円です。

維持費の面でも排気量や駆動方式の検討材料になりそうですね。

春や秋はキャンプ、夏は川辺でバーベキュー、冬は雪山へ。

デリカD:5ならあなたの趣味にとことん付き合ってくれること間違いなしです。

次の買い替えにデリカD:5を候補に検討してみてはいかがでしょうか?

(ライター:中古車査定士ryo)

■ 中古車査定士が教える「買取り額をアップさせる為に絶対に!押さえておきたい3つのポイント」

コメント

タイトルとURLをコピーしました