S660の前後2カメラドライブレコーダー取り付け方法を解説

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

今回はLaBoon!!の読者さんの寄稿により、S660(2017年式JW5)でのMAXWIN「MDR-C010」の取り付け方法について説明します。

※S660 には「MDR-C010 」は合わないようなので買わない方が良いです。理由は最後に説明します。

駐車監視の用途により、合わせて使用する駐車監視用のバッテリー、駐車監視用のスイッチコントローラー、電源確保やアースの取り方が異なりますが

・車両バッテリを用いて駐車監視(アイドリングストップ無しなので負荷に余裕)
・自宅では駐車監視をしない
・フロント筐体をスッキリと配置

を主旨としています。

ご自身でS660に2カメラドライブレコーダーの取り付けをやってみようと検討されている方の参考になると思います。

テスト起動

初期不良確認の為、まずは各パーツの損傷を確認し、電源とカメラケーブルを本体に接続しテスト起動します。(MAXWINの他機種で初期不良の経験があるので、最初に確認すべきと思います)

今回取付けるMDR-C010はギボシ加工済でしたが、加工前のケーブル端はミニヒューズです。

ミニヒューズは、低背ヒューズと端子間隔は合うのですが若干長く刺し辛いので、低背ヒューズボックスに刺すのはあまりお勧め出来ません。

テスト用のシガーソケット&ヒューズホルダを作っておくと、テスト起動の際に便利です。(ケーブル端がヒューズ直結の場合も無加工で刺せます)

電源確保の手順について

駐車監視の必要性の有無によって若干作業の手順が異なりますが、ここでは以下の3つの方法について順に解説します。

・ヒューズボックスから電源を取る
・オプションカプラから電源を取る
・iZONEを経由して電源を取る

ヒューズボックスから電源を取る

室内ヒューズボックスは運転席足元右上にあり、フロアから見上げれば何とか目視出来ますが、ダッシュボード足元のパネルを外した方がアクセスしやすいです。

室内ヒューズの図は、ステアリングコラム下面にあります。

機器メーカ推奨は室内ヒューズボックスへの接続ですが、悪影響が無い(ECU等)と確信を持てる常時電源ヒューズを見つけられませんでした。(28番は常時電源だが接続先未記載)

各ヒューズが何処に繋がっているかは、S660の回路図には全てが記載されていません。(オプションカプラ用38番ですら接続先未記載)

テスターだけで常時電源位置を判断すると、ECU等のトラブル要因になり得えます。

昨今の他車種(CAN)では、ブレーキトラブルでエアコンが止まった事象すらあります。

このような事情から、S660で駐車監視用の常時電源を確保する場合には、次に説明するオプションカプラからの分岐をお勧めします。

オプションカプラから電源を取る

オプションカプラとは、適合するハーネスキットなどを挿し込む事で常時電源、アクセサリー電源、イグニッション電源、イルミネーション電源、リバース信号などを分岐させる事が出来るポートです。

このキットのバックアップ・バッテリー電源(常時通電)とアクセサリー電源(ACC)を、ドラレコ電源ケーブルにそれぞれ接続します。

オプションカプラを刺す位置は、室内ヒューズボックス右上となります。

このカプラはヒューズを入れないと通電しないので、38番(上段(横長)の左から3個目)のヒューズスロットに必要容量(MDR-C010単独なら10A)のヒューズを刺します。

iZONEを経由して電源を取る

駐車監視を自宅だけ毎回切りたい場合は、GPSで自動オフしてくれるiZONEが便利です。

GPSで自動で駐車監視のON/OFF LaBoon!!企画のガジェット「iZONE」
...

取付位置は、かがんだ時にだけLEDが見えるステアリングコラム下が好みなのですが、室内ヒューズの図と重なってしまうので、アンダーパネル左下に貼り付けました。(アンダーパネルは軽量化と作業性向上の為に中央を切除しています)


取付位置が決まったら、ヒューズボックスまたはオプションカプラ付近まで配線を通し、バッテリー電源(常時通電)とアクセサリー電源(ACC)とアースの入出力を、車両とドラレコの間に割り込ませるように接続します。

アースを取る

電源をヒューズボックスから取る場合は、その右下(ドアの前)のアースポイントからアースを取ると配線長が丁度良いです。

常時電源不要の場合はシガーソケットからACC&アースを取る方法もありますが、電流が大きい機器(iCELL等)の場合は、大電流が流せるアースポイントから取ります。

アースポイントは内装を外さないとアクセスし辛いので、ヒューズボックスあたりにオスギボシを設けておくと機器交換の際に便利です。(万が一のショートに備え、アースはオス、電源系はメスの端子にします)

ケーブルをかしめる

ギボシのかしめ方はこちらのエーモンの動画が参考になります。

電工ペンチは安物から高級品まで色々ありますが、画像の物は長年不具合無く使えています。

ワイヤーストリッパーは二千円以上しますが、配線を痛めないだけでは無く、狭い所や奥まった位置での皮むきで威力絶大なのでお勧めです!

配線作業が一通り終わったら、各ケーブルを車体に通す前に動作確認をします。

電源とカメラケーブルを本体に接続してエンジンを掛けると、接続に誤りがない限りは前後カメラの映像が筐体に映し出される筈です。

ここで起動しないなどの不具合が出る場合には、ギボシ部分の接触不良などを疑いましょう。

フロントカメラの設置

配線取り回しの基準点にもなるので、まずはフロントカメラの位置を検討します。

ワイパ拭き取り範囲やカメラ視野、サンシェード(駐車監視)やETCセンサ等を考慮し、ミラー基部右のウインド上端としました。

実際に映像を映すと視野がケラレている事があるので仮止めし、映像を見て最終決定します。

画像の位置よりも中央に寄せると、視野がミラー基部にケラレました。

フロント筐体の設置

純正交換型アームの設定が無く、ミラー背面にネジ穴も無いので、フロント筐体を純正ミラーに、付属ゴムバンドを使って取付けます。

S6はサンバイザーの幅が狭いので、12インチのワイドミラーでも干渉はありません。

フロントカメラケーブルの取付

ミラーを上方に寄せる為、背の低い市販ケーブルに交換したところ、前後カメラの映像が映りませんでした。

USB3.1と明記されたUSB Cケーブルでも映りませんでしたので、交換は難しそうです。(LaBoon!!としては個別のケーブル適合の可否については関知しません。)

端子が長く上方に寄せられませんが、付属のフロントカメラケーブルを接続しました。

運転席側吹き出し口の取外し

ダッシュボード近辺の通線の為、まずは運転席側吹き出し口を外します。

側面に指(爪)をかけて手前に引いて外していますが、下端に内装外しを差し込んでも外せます。

クリップ位置は、画像を参考に。

ダッシュボード右サイド内装の取外し

右サイドの内装は、手前に指をかけて引くと簡単に外れます。

Aピラー内装の取外し

内装のクリップ付近に指をかけて室内側に引きます。

クリップ2個所が外れたら、下側はダッシュボードに差し込まれているので上方に引き抜きます。

ケーブルのフロントウインド上部通線

ドラレコ単独の通線の場合は、ウインド上端の内装は外さなくて良いと思います。

内装とウインドの間に適度な隙間があり、一般的なドラレコ配線の太さと硬さであれば、押し込むだけで不具合無い場合が多いです。

車両電源やリアカメラに繋がるケーブルは、Aピラー経由でダッシュボードへ通線します。

この機種はケーブル端のコネクタが、Aピラー上端まで届きました。

フロントウインド上部内装の取外し

ETCやレーダーの配線も同時にする場合は、ウインド上端の内装も外します。

ETCは頻繁に替えませんし、レーダーの配線は互換性が高いので、内装内側の純正配線に添わせて留めるとスマートと思います。

交換頻度が比較的高いドラレコ配線は、ウインド際にしておくと交換が楽で便利です。

まずは、サンバイザー基部のカバーを内装外しで開くと、ビズが2本あるので外します。(画像のビズは純正ではありません)

次にセンターのラッチを手前に引いて外し、ビズを外します。

ルームランプのレンズにはツメが2個所あるので、金属の内装外しが使い易いと思います。

車外のLEDが入っている場合は、それを外すと裏にM5ボルトが2本あるので外します。

ルームランプの中央には常時電源が流れているのでショートさせないよう注意します。(電装作業ではバッテリのマイナス端子を外すのが基本です)

フロントウインド上端の内装自体はクリップ3個所で留まっているので、素手で引くと外れます。

真ん中のクリップは基部がポロっと逝きますので、冬場の作業は要注意です(^^;

ケーブルのダッシュボード通線

S6のケーブル通線は、Aピラーからダッシュボードに下げるより、下からAピラーに上げた方が通しやすいと思います。

ヒューズボックス付近のケーブルを、ダッシュボード右サイドの穴(内装を外した開口)から指を入れて引き上げ、ダッシュボードとボディの隙間を通してAピラーにまわします。

ケーブルには金属部などとの接触に備え、スパイラルチューブで保護しておくと安心です。

ケーブルのAピラー引きまわし

Aピラー上端のコネクタとダッシュボードから引き上げたコネクタを接続し、内装やクリップに挟まれない様に、配線ルートを検討します。

クリップ穴より車室側を通すと、コネクタが内装裏のリブと干渉しました。

クリップ穴よりウインドウ側の純正ハーネスに添わせると、内装に干渉しませんでした。

アンテナ線がある場合はそれから離し、ETCケーブル等の信号線も離した方が無難と思います。

ケーブルのダッシュボード内引きまわし

ケーブルの余長がループにならないよう(ノイズ対策)にスパイラルチューブ等で纏め、車体側に留めます。

結束用マジックテープで既存ハーネスに留めると、メンテや取外しの際にタイラップより便利と思います。

機器ごとに色を変えておくと、後々判り易いです。

リアカメラケーブルの車体中央引きまわし

ケーブルをダッシュボードから車体中央に通す際は、センターコンソール前端の内装を外します。

外さなくても通せますが、手前に引くと簡単に外れるので、見易い状態でヒーターダクトを避けて通線します。

センターコンソール下部とカーペットの間には適度な隙間があるので、一般的なカメラケーブルであれば押し込むだけでも大丈夫だと思います。

タイラップ等で内部に固定したい場合は、下部のパネルは手前に引くと簡単に外れます。

ケーブルをドア側に通したい場合は、サイドシルの内装を外して通線します。(純正OPのコーナーセンサ等は、こちらを通しています)

リアカメラの検討

純正ルームミラーの視野が狭いS6は、着座位置を下げると後方視界は絶望的…

スマートミラーの恩恵が大きい車種ですが、視野の好みによっては防水カメラが必要です。

リアカメラを室内側に付けると、視野の下半分にリアフードが映り込んでしまいます。

防水リアカメラをナンバー付近に取付けると、視野のケラレが無く、バックカメラを兼用できます。

 

水滴付着や防眩が不安な方もおられるようですが、前者は気にならず、後者も画像処理の機種能力差の方が大きく感ます。

リアカメラの設置

リアカメラは、センターガーニッシュ下のグリルには納まりませんでしたので、ナンバープレート左上に設置しました。

脇に純正リアカメラがありますが、この位置であれば視野を妨げませんでした。

車両中央に付けたい場合は、ナンバー灯によるハレーション有無の確認が必要と思います。

ロールバーガーニッシュの取外し

リアカメラケーブルを通線する為、ロールバーガーニッシュを外します。

上面に3個所あるクリップを外し、手前に引くと外れます。(中央の切込みは当方が中央部だけを装着している為で、ノーマルは繋がっています)

カメラケーブルの車体後部引きまわし

リアウインド下のカーペットをめくると、エンジンルームへの開口がいくつかありますが、熱害や美観を考えてコネクタ下のグロメットから通線します。(アクティブスポイラやコーナーセンサもここを通しているようです)

リアカメラケーブルの余長を収める為、内装はエンジンルーム配線が終わってから戻します。

リアカメラを室内配置する場合は、ケーブルをシートレールで引っ掛けないように、余長をまとめます。

カメラケーブルのエンジンルームへの通線

エンジンルームへケーブルを引き込む為、エアクリーナ前部のステーのボルト2本を外します。

エアクリーナ側ゴムブッシュを中心にステーを回すと、その下にグロメットが現れるので、こちら側から通すと楽に通線出来ます。

ケーブル余長を室内側で纏めたいので、エアクリーナステーは配線作業完了後に戻します。

カメラケーブルのエンジンルーム引きまわし

バンパ脱着時にケーブルを外し易いように、コネクタはナンバー灯の上に配置しました。

カメラ側ケーブルをバンパ側に固定する方法もありますが、車体ハーネスにタイラップ留めとしました。

シンプルではありますが、バンパ脱着時にタイラップを一ヵ所切断する必要があります。

リアカメラのコネクタ位置が決まったら、それを車体ハーネスにタイラップで留め、ケーブルを純正ケーブルに這わせて室内に通します。

バック連動線

バック連動線はリアカメラケーブルのカメラ側から赤線が出ていますので、バックランプの配線に割り込ませる事が想定されています。

車両ハーネスを傷つけたく無い場合、バック連動線を延長して室内に引き込めば、オプションカプラのリバース線に繋ぐ事も出来ます。

まとめ

室内リアカメラで死角が出来る車種なので、それが好みか確認の上で機種(防水カメラ)選定した方が良いと思います。

ミラー型の場合は、日中オープンにすると映り込みが激しいので注意が必要です。(AUTO-VOX V5proは不満ありませんでしたが、MDR-CO10はどの方向に向けても映像が見えませんでした)

また、純正ミラーの剛性の問題なのか、重量があるミラー型は走行中に細かくぶれて目視困難です。

MDR-CO10は重量バランスも悪いようで、ブレて目視困難な上、数分走ると左に傾いてゆき、実用になりませんでした(AUTO-VOX V5proでは問題ありませんでした)。

取付に関しては、各ピラーにエアバックが無く、内装取外しや通線は楽な部類と思います。

2芯(常時電源無し)の機種であれば、シガーライタ(5V機はUSBも)から給電できるので、更に簡単になります。

作業工程がETCと似ているので、同時に作業すると工賃を浮かせられると思います。

安易にヒューズボックスを弄るとトラブル要因になりかねませんが、倫理的な自覚さえ持てば作業自体は難しくないので、、楽しいDIYになると思います♪

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