「RP-PB058」はUSB Type-C PDの出入力・パススルー充電機構・逆流防止機構を搭載したRAVPowerの26800mAhの大容量モバイルバッテリーですが、充電力が大きい為にドライブレコーダーの駐車監視用の外部バッテリーとして向いているであろうと考え、運用方法についてテストしました。
USB Type-C PDとは充電のホストとクライアント間で通信を行い、最大100Wまでの最適な電圧・電流で充電を行う充電規格です。
USB Type-C PDについて、詳しくは以下の記事をご参照ください。
■ USB Type-CのPD入力・出力対応のモバイルバッテリー
なお、最近はモバイルバッテリーの普及率が上がり、少ながらず発火事故が発生していますので安全対策は自己責任でお願いします。
■ モバイルバッテリーから給電・充電出来るドライブレコーダー
因みに東京消防庁の報告によると平成23年から28年11月までの間にリチウム電池関連の火災が65件発生しており、モバイルバッテリーやスマホの普及に伴って件数は急上昇しています。
このうち、モバイルバッテリーが原因となるのが12件だそうです。
東京消防庁の管轄は東京都内ですので都内の発生件数だと思いますが、確率的にはそれほど高くないにしても夏場の車内でモバイルバッテリーを使用するなら熱対策や延焼対策を施した方が良いと思います。
もくじ(クリック・タップで移動できます)
「RP-PB058」の基本仕様
「RP-PB058」はUSB Type-C PDの出入力兼用ポート×1、5V2AのmicroUSB入力ポート×1、USB-Aの出力ポート×2を搭載し、パススルー充電と逆流防止機構を搭載しています。
USB Type-C PDと5V2AのmicroUSB入力ポートからの同時充電を行おうとすると、5V2Aの方の電流が遮断される模様です。
なお、充電用のケーブルに関してはmicroUSBケーブルが2本、USB Type-C PD対応のケーブルが1本同梱されています。
付属のUSB Type-C PDケーブル、別売の以下のRAVPowerのUSB Type-C PDケーブルともに、充電能力に差はありませんでした。
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「RP-PB058」の給電量のチェック
放電量のチェックは「RP-PB058」を一度満タンの状態まで充電し、0.35A程度のドライブレコーダーを録画状態で放置する方法で行いました。
結果は13800mAh程度の給電量で、39時間程度の駆動が可能でした。
「RP-PB058」の充電速度のチェック
「RP-PB058」は規格上はUSB Type-C PDポートからの30Wまでの入力が可能ですので、今回のテストでもっとも気になるポイントがパススルー時の充電速度でした。
…が、ここで非常に残念な事が分かりました。(笑)
それはUSB Type-C PDポートから充電を行っている時には、出力側の電圧・電流がダダ下がりする点です。
その状態でも辛うじて録画が可能なドライブレコーダーもありますが、3~4V、0.1~0.2Aくらいまで電圧・電流が下がっていましたのでほとんどのドライブレコーダーは再起動を繰り返すなどの不具合が発生します。
※5V/2Aの充電ポートからの充電であればパススルー時も出力電圧・電流は安定しています。
という訳で、パススルーモバイルバッテリーとしてデバイスに充電するにはどうにか使えそうですが、ドライブレコーダーなどを安定して駆動させるには無理がありそうです。
ただし、逆流防止機構が搭載されていますので、パススルー機能は使わずに通常のモバイルバッテリーとして駐車監視の運用を行う事に関しては、USB Type-C PDポートからの30Wの急速充電のメリットは活かせると思います。
ドライブレコーダーを起動させながらのパススルー充電は不可でしたので、パススルーを使用しない状況下での充電状況は悪くはないようです。
USB Type-C PD対応のTronsmartのシガーチャージャーではこのような感じで30W程度の急速充電が行われています。
15V出力までのプロファイルに対応しているようです。
USB Type-C PD対応のアダプタの場合は20V出力のプロファイルまで対応しているようです。
バッテリーが空の状態からUSB Type-C PDポートを使用して、シガーチャージャーじゃら30分間の急速充電を行い、0.35Aのドライブレコーダーを録画状態で放置したところ、6時間30分の連続録画が可能でした。
充電1分あたりのドライブレコーダー駆動時間は13分となります。
USB Type-C PD対応の充電器とシガーチャージャー
今回のテストでは以下の充電器とシガーチャージャーを使用しています。(シガーチャージャーはRAVPowerのPD対応のものが見当たりませんでした)
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5V×2Aのパススルーと使い分ける手もある?
残念ながらUSB Type-C PDポートを使用してのパススルー機能はドライブレコーダーの常時録画には向いていませんが、5V×2AのmicroUSBポートからの入力中であればパススルー機能は使用が可能です。
従って蓄電量が多い段階では5V×2Aで運用を行い、ゲージが減ってきたらUSB Type-C PDポートから急速充電を行う手もありますね。
また、USB Type-C PDポートからの充電であれば6時間程度で満充電になる為、「RP-PB058」を2個搭載し、一つは5V×2AのmicroUSBポートからの充電でパススルー、もう一つはUSB Type-C PDから充電しておく方法なら、かなり長い時間の車内での運用が可能になるかと思います。
「RP-PB058」のまとめ
「RP-PB058」はドライブレコーダーの駐車監視用外部電源としては、パススルー機能を活用した使い方は出来ずちょっと残念な結果になっていまいました。
とは言え、USB Type-C PD規格での充電はかなりハイパワーですし、逆流防止機構が搭載されている為、他のモバイルバッテリーと比較しても使い勝手は悪くありません。
ハイパワー充電を活かしてドライブレコーダーの外部電源として利用する場合、以下のモバイルバッテリーが競合モデルとなります。
◆RAVPower 26800mAh「RP-PB058」
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・パススルーありだが、USB Type-C PD充電中は電圧・電流下降
・充電ポート~5V/2A×1ポート、USB Type-C PD×1ポート
・1分充電で13分のドライブレコーダー駆動
・USB Type-C PD対応のシガーチャージャーが必要
◆RAVPower 20100mAh「RP-PB006」
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・パススルーあり
・充電ポート~5V/2A×1ポート
・1分充電で3.6分のドライブレコーダー駆動
・2.4A出力のUSBシガーチャージャー使用
■ RAVPower 20,000mAhモバイルバッテリー 「RP-PB006」がドラレコ外部電源としてなかなか良いかも知れない
◆RAVPower 20000mAh「RP-PB043」
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・パススルーあり
・充電ポート~5V/3A USB-C×1ポート、QC3.0×1ポート
・1分充電で6分のドライブレコーダー駆動
・QC3.0対応のシガーチャージャーが必要
■ QC3.0で急速充電 RAVPower20,100mAh「RP-PB043」のレビュー、評価
◆新型EC Technology 22400mAh
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・1分充電で9分のドライブレコーダー駆動
・2.4A出力のUSBシガーチャージャー使用
・スイッチ付きのシガーソケット分配器が必要
■ 新型EC Technology 22400mAh モバイルバッテリーのレビュー、評価
◆ANKER 26800mAh
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・パススルーなし
・充電ポート~5V/2A×2ポート
・1分充電で12分のドライブレコーダー駆動
・2.4A出力のUSBシガーチャージャー使用
・スイッチ付きのシガーソケット分配器が必要
■ ANKERの26800mAh モバイルバッテリーのレビュー、評価
パススルーの有無で随分使い勝手が変わってきますが、価格で選ぶならRAVPower「RP-PB006」運用が楽なものが良ければQC3.0対応のRAVPower「RP-PB043」、充電速度で選ぶなら「ANKER 26800mAh」、RAVPower「RP-PB058」といった感じになるでしょうか?
それぞれ随分コストが変わってきますので、予算と使い方に合わせてで選ぶのが吉ですね。
(編集長 Omi)
■ USB Type-CのPD入力・出力対応のモバイルバッテリー
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