ドライブレコーダーの駐車監視は必要か?

※2021年3月20日更新~最新の情勢に合わせて内容を見直しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家の鈴木朝臣です。

最近のドライブレコーダーほぼ100%に近いくらい駐車監視機能がサポートされていますが、その機能を有効にする為にはメーカー指定のケーブル類が必要なケースも多く、ドラレコを購入する際にそれらのケーブルも購入した方が良いのか迷う方も多いのではないかと思います。

そこでこの記事ではドライブレコーダーを購入する際に駐車監視の為のケーブルが必要なのか?そもそも駐車監視機能が必要なのか?と言った初歩的な疑問に対してもお答えしようと思います。

そもそも駐車監視って必要なの?

ドライブレコーダーの駐車監視は、駐車中も録画を継続する事で当て逃げやイタズラに備える為の機能です。

因みに当て逃げにあっても気にしないや!って方には駐車監視機能は必要ありません。

そう言う方も少なからずいらっしゃると思いますし、うちのコペン号もかなり年季が入った車なので少々当てられても気にしません。

ボディが錆びて穴が開いてるところもりますし、バンパーとかボンネットも多少歪んでいたり?(笑)

…なので少々の傷は気にしない、という方には駐車監視は必要ないと思います。

駐車監視のデメリット

ドライブレコーダーに駐車監視機能が標準装備されているのに、それを使わないのは勿体ないじゃないか!折角だからついでに使いたい!という気持ちは痛いほど分かるのですが、駐車監視を行う事で発生するデメリットもあるので私は必要としない人に安易に駐車監視の運用をおすすめしていません。

商品を売る側、紹介する側の人達はほとんどこのデメリットを説明せずに安易に駐車監視をおすすめしている事が多いように見受けられますが、その駐車監視のデメリットはズバリ「バッテリーの寿命が縮む」という点になります。

ドライブレコーダーの駐車監視は、そのほとんどが駐車中もカーバッテリーから駆動電力を取り出して3~5W程度の電力を消費し続けます。

もちろん、ドライブレコーダーの駐車監視システムにはバッテリーが弱って電圧が一定値以下に下がった時には自動で電源を遮断する機能がありますので、短期的な使用でバッテリーが上がるという事は考えにくいのですが(たまにそう言う事もある)、走行時以外にも放電を行うわけですから多少なりともバッテリーの寿命は縮みます。

毎日運転する車で週末だけ1~2時間の駐車監視をするよ~というような場合にはバッテリーの劣化はそれほど気にしなくても良いと思いますが、週末しか乗らない車で充分な走行時間がない上に数時間の駐車監視を行う、というケースではバッテリーの劣化を気にする必要があるでしょう。

また、走行距離が短い車で毎日数時間の駐車監視を行ったところ、新車から半年程度でバッテリーが要交換になったような事例も見られます。

最近ではトヨタの純正ドライブレコーダーとして、コムテックなどの駐車監視モデルである「DC-DR652」を扱うようになっていますが、トヨタではバッテリー劣化のクレーム予防策として、「駐車監視は1時間を目安として下さい」との注釈を入れています。

従って「ドラレコで駐車中も監視をしたい理由があるんだ!」という方以外、つまるところ「駐車監視が必要かどうか分からない」ような方には私は駐車監視の運用をおすすめしません。

駐車監視のデメリットを克服する方法

ドライブレコーダーの駐車監視は原則としてはカーバッテリーから3~5W程度の電力を取り出して行うものですが、実はカーバッテリーへ負荷を回避する方法もいくつか存在します。

ただし、こちらのいずれの方法にもデメリットがありますので自分が何を求めるかによって選ぶ手段が変わってくると思います。

・内蔵バッテリータイプのドラレコを使う
・微電力でドラレコの衝撃センサーだけを待機させ、衝撃があった数秒後から録画を行う
・微電力でドラレコのマイクロ波センサーだけを待機させ、動体を検知した数秒後から録画を行う
・ドラレコ専用の外部バッテリーを使用し、常時録画・動体検知録画を行う

それぞれのメリット・デメリットはこちらの通りです。

内蔵バッテリータイプのドラレコ

先程の説明の通り、ドライブレコーダーの駐車監視はそのほとんどが駐車中もカーバッテリーから電力を取り出して録画を行うものですが、ごく一部のドライブレコーダーの中には30分~90分程度ドライブレコーダーを駆動させる事が出来るリチウムイオンバッテリーを搭載した製品があります。

これらの製品は走行中にドラレコ内蔵のバッテリーを充電し、監視中にはそのバッテリーを消費する仕組みですので駐車監視中にカーバッテリーへの負担が掛からないのがメリットです。

一方で満充電には3時間程度の時間が掛かりますので日常的な駐車監視の運用には向いていないというデメリットも存在します。

映っても映らなくても良いや、映ってたら儲けもののオマケ程度に捉えておきましょう。

充電式内蔵バッテリーで駐車監視が出来るドライブレコーダーについて
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微電力でドラレコの衝撃センサーだけを待機させるドラレコ

こちらの方式は、駐車監視中にGセンサーのみをアクティブ、ドラレコ機能をスリーブ状態にしておき、衝撃を検知した際にドラレコ機能を起動させて録画を行う仕組みです。

駐車監視中にカーバッテリーから電力を取り出す点においては通常の駐車監視モデルと同様ですが、消費電力を極端に抑えられるのがメリットです。

…と言ってもピンと来ない方もいらっしゃると思いますが、通常のドライブレコーダーの駐車監視の録画方式は、

・常時録画+衝撃検知
・動体検知+衝撃検知
・タイムラプス+衝撃検知

が一般的となっており、いずれの方式においてもドライブレコーダーは常に内部メモリーに短時間分の動画を保存しながら、必要に応じてmicroSDカードにそのデータをコピーしています。

ドライブレコーダーが最も電力を消費するのはmicroSDカードへの書き込みではなく、その前段階の工程である内部メモリーへの書き込みです。

従って動く物を検知した時だけ録画を行う動体検知方式の場合でも、ドライブレコーダーは常に4~5W程度の電力を消費する事になります。

このメモリーへの書き込みをやめて、ドライブレコーダー機能をスリープ状態にしておき、衝撃を検知した後にドラレコの電源をONにする事で電力を抑えているのが、この「衝撃があった数秒後から録画を行う方式」となります。

一方でこの方式のデメリットは、衝突してから数秒後からの映像しか残らず、衝突の決定的な瞬間、運が悪いとナンバーを撮り逃がす可能性がある点です。

※通常の駐車監視は衝突前から、衝突の瞬間、衝突後の様子までの一連の流れが記録出来ます。

従って運が悪いとナンバーが映らない可能性がある点を割り切って使えるのであれば、このタイプを選んでも良いでしょう。

この方式はコムテックの一部の製品が「衝撃クイック録画」として採用しています。

■ やはり最強だった! コムテック2カメラドラレコ「ZDR025」の実機レビューと評価

■ 実機レビュー コムテック STARVIS対応 前後370画素2カメラドライブレコーダー「ZDR026」の評価

パイオニアの一部の製品ではこの方式と内蔵バッテリーでの録画を組み合わせています。

■ パイオニア STARVIS対応2カメラドラレコ「VREC-DZ700DLC」「VREC-DZ700DSC」の実機レビューと評価

また、スマートミラー型のほとんどの製品もこの方式を採用しています。

■ まだ付けてないの?後付けスマートルームミラーのまとめ

微電力でドラレコのマイクロ波センサーだけを待機させるドラレコ

こちらの方式は、駐車監視中にマイクロ波センサーのみをアクティブ、ドラレコ機能をスリーブ状態にしておき、動体を検知した際にドラレコ機能を起動させて録画を行う仕組みです。

こちらも駐車監視中にカーバッテリーから電力を取り出す点においては通常の駐車監視モデルと同様ですが、消費電力を極端に抑えられるのがメリットです。

また、動体を検知してからドラレコが起動するまでに数秒のタイムラグがあるものの、概ね衝突の瞬間が映るシチュエーションが多いと考えられる挙動を示していますので、消費電力をそれほど増やさずに証拠能力が大幅にアップするという優れモノです。

ただし、衝撃検知モデルと比べると録画の為にドラレコが動作する機会が増えますので、若干ではあるものの、カーバッテリーに負荷が掛かります。

自宅での長時間の常時監視ではなく、出先での運用であれば何ら問題は発生しないレベルの消費電力でしょう。

実機レビュー VANTRUE マイクロ波駐車監視ドラレコ「T3」の評価
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ドラレコ専用の外部バッテリーを使用する

こちらは定期的に長時間の駐車監視を行う方向けの選択肢になりますが、カーバッテリーではなくドラレコ専用の外部バッテリーを使用する事で100分の走行時間で4~5Wのドラレコであれば最大で30~38時間程度の連続した駐車監視が可能です。

駐車監視中にカーバッテリーの電力を消費しないのがメリットです。

デメリットはバッテリーが高いので導入コストが掛かる点が挙げられます。

2年保証のドラレコ駐車監視用バッテリー iCELL「B6A/B12A」
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まとめ

以上、ドライブレコーダーの駐車監視の必要性とデメリット、デメリットを回避する方法について解説しました。

必要に応じて最適と思しき選択をしましょう。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

コメント

  1. 名前 より:

    いたずらやドアパンチの映像が撮れても、警察は100%動いてくれないから、監視映像が撮れても頭に来るだけです。
    それならダミーで十分。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      名前様
      100%ってことはないんじゃないですか?少なからずドラレコの映像が決め手になって検挙に繋がった事例も報道されているようですから。
      >それならダミーで十分。
      色んな考え方があるので否定はしませんが、ドアパンチするような方は無神経なので防止にはつながらないと思います。
      イタズラの抑止効果はあるでしょうけど。

  2. ドラレコ2023★ より:

    駐車監視をオフにしていたとしても 常時電源が流れるとのお話をメーカーにいただきました。

    私のようにたくさん乗らない下記のような乗り方の場合、駐車監視はそもそもつけない方が賢明ですか。駐車監視を使えるように 配線 してしまうと たとえ 駐車監視 の機能をオフにしておいても 常時電源が流れている環境になるというメーカーの話が気になります。コムテック

    ●取り付け予定機種は
    ZDR035 か ZDR045

    ●毎日片道15分 往復30分を1日の間 に1回から3回

    ●天候が悪い時 運転などは1日中 乗らない日もある

    ●取り付け車種、新車 ヤリス クロス ハイブリッド

    ●富士山麓の寒冷地 冬場は必ずスタッドレスが必要になるエリア

    ●トヨタがバッテリー上がりによるクレーム防止のために駐車監視は1時間を推奨するのなら そもそもその1時間のためだけにつけるのはもったいないかな。

    ●ZDR045、ZDR035は設定によって駐車監視の時間を自分で1時間、 2時間、3時間という風に選択することができますか。

    ●最初は駐車監視を配線しないで後で気が変わったら配線は追加するというのは 簡単にできる 追加要件ですか。それとも 上記の コムテックの機種は 取り付けという風になると そもそも 駐車監視 も一緒に配線しないと配線できない 仕様ですか。

    ●私のような人の場合は駐車監視の配線をしないで 駐車監視してます というステッカーだけリアとかフロントにつけてあげるのも 抑止効果になりますでしょうか。

    ■■■専門家のご意見、回答いただけますと 非常に助かります。お忙しいところ 度々ご質問して恐縮ですか 何卒よろしくお願いいたします。

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 より:

      ドラレコ2023★様
      1.>駐車監視を使えるように 配線 してしまうと たとえ 駐車監視 の機能をオフにしておいても 常時電源が流れている環境になるというメーカーの話が気になります。コムテック
      同社の製品は駐車監視をオフにしておけば電流は流れません。

      2.>●ZDR045、ZDR035は設定によって駐車監視の時間を自分で1時間、 2時間、3時間という風に選択することができますか。
      可能です。仕様の詳細は専用記事でズバリ解説しております。
      https://car-accessory-news.com/zdr035-parking/
      https://car-accessory-news.com/zdr045-parking/

      3.>●最初は駐車監視を配線しないで後で気が変わったら配線は追加するというのは 簡単にできる 追加要件ですか。
      私には簡単ですが、やった事ない人には難しいと思います。職人さんにとっては簡単な作業です。
      いずれ駐車監視をする可能性があるなら最初から駐車監視用ケーブルと使った方が良いと思います。

      4.>●私のような人の場合は駐車監視の配線をしないで 駐車監視してます というステッカーだけリアとかフロントにつけてあげるのも 抑止効果になりますでしょうか。
      なると思います。

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