ドライブレコーダーで常時録画を行う方法について解説

※2023年3月4日更新~最新の情勢に合わせて内容を全面的に見直しました。

こんにちは!ドライブレコーダー専門家でLaBoon!!編集長の鈴木朝臣です。

最近はGoogleの検索エンジンで「ドライブレコーダー」+「常時録画」というキーワードで検索している方が増えているようですので、この記事ではドライブレコーダーの常時録画について解説します。

「ドライブレコーダー」+「常時録画」でググる人は駐車監視がしたい人?

そもそも「常時録画」というワードは世界各国のドラレコ業界では「走行中の録画モード」の事を指し、国によっては「走行録画」「運行録画」などのニュアンスの言葉で表現されています。

ドラレコを使った事がある、またはそこそこドラレコに詳しい方であれば、

・「常時録画」=「走行中の録画モード」

と認識されている事でしょう。

なお、現在ではほぼ全てのドラレコにおいて走行中に「常時録画」を行う事が普通である為、「ドライブレコーダー」+「常時録画」というキーワードで検索している方は、ドラレコに詳しくない方だと思います。

ドラレコに詳しくない方が連想する「常時録画」とは、「駐車中の常時録画」の方なのではないでしょうか?

そこでこの記事では、ドラレコに詳しくないけど「駐車監視」を検討している方向けに、2023年2月時点での情勢を踏まえた上で、「駐車監視」の仕組みと「駐車監視」モデルの選び方について解説します。

駐車監視は「常時録画」の録画方式だけではない

まずはドライブレコーダーの駐車監視の仕組みについて解説しますが、駐車監視にはメーカーや製品によってこのような録画方式の違いがあります。

・駐車監視専用の「常時録画」モードに切り替える
・タイプラプスモードに切り替える(1~15fps、fpsは1秒当たりの撮影コマ数)
・動体検知モードに切り替える
・駐車監視専用の「衝撃検知」モードに切り替える

それぞれの録画モードのメリットデメリットはこちらの通りです。

駐車監視専用の「常時録画」モード

こちらはコムテックの製品で多く見られる録画方式で、エンジンがOFFになると駐車監視専用の「常時録画」モードに切り替わります。

走行中の「常時録画」と同じように合わせて「衝撃録画」も行いますが、駐車監視中の衝撃検知感度をより敏感に設定する事が可能ですので、走行中には検知しないドアの開閉程度の衝撃も検知してイベントファイルとして保存します。

※イベントファイルは走行中・駐車監視中の常時録画ファイルで上書きされません。

この方式の駐車監視のメリットは以下のポイントです。

・「常時録画」+「衝撃録画」のダブル録画の為、当て逃げだけではなくイタズラ対策にも有効である

デメリットは以下のポイントになります。

・「常時録画」には大きなカード容量が必要な為、「衝撃録画」以外は数時間で上書きされてしまう。
・消費電力が大きく長時間の監視はバッテリーの寿命を縮める

従って当て逃げ対策だけを考えている場合にはこの方式は強いものの、イタズラ対策や3カメラのドアパンチ対策を考慮する場合にはカード容量がネックとなり易いと言えます。

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タイプラプスモード

タイプラプスモードとは、指定した録画フレームレート(1秒当たりのコマ数)で「常時録画」を行うモードです。

こちらはコムテック、ユピテル、その他の多くのメーカーの製品に採用されている録画方式です。

一般的なドライブレコーダーの走行中の録画フレームレートは27~30fpsとなっていますが、録画ファイルの大きさは、解像度×フレームレート×ビットレート(圧縮具合)で決まりますので、タイプラプスモードにはフレームレートを落とす事で録画ファイルのサイズを小さく出来る、つまりは…

・長時間の録画ファイルを上書きさせずに保存が可能である

というメリットがあります。

一方でデメリットは以下のポイントになります。

・フレームレートの設定によっては決定的瞬間を取り逃がす可能性がゼロではない
・音声を録音する事が出来ない
・消費電力が大きく長時間の監視はバッテリーの寿命を縮める

なお、コムテックやユピテルのタイプラプスモードは1fps(1秒1コマ)の固定となっている製品がほとんどですが、VANTRUEやVIOFOなどでは1/3/5/10/15fpsなどの幅広い設定が可能ですので、イタズラ対策・当て逃げ対策の両方を考慮する場合にはフレームレートを調整できる製品がおすすめです。

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動体検知モード

動体検知モードは、画面内の動きを検知して自動で一定時間の録画を行う方式で、ケンウッドやユピテル、セルスター、VANTRUE、VIOFO、BlackVue、THINKWARE、PAPAGOなどの一部の製品で採用されています。

必要な時にしか録画を行いませんので、少ないデータ量で問題のシーンだけを録画する事に適しています。

従って長時間の当て逃げ対策、イタズラ対策を考慮した場合の録画方式としては最もバランスに優れた録画方式と言えます。

メリットはこちらの通りです。

・少ないデータ量で問題のシーンだけを録画する為、長時間の当て逃げ対策、イタズラ対策に最適

一方でデメリットは以下のポイントになります。

・周囲の状況によっては動きを検知出来ない事がある
・製品によっては動体検知の保存領域が小さく、ファイルが上書きされてしまう事がある(ケンウッド)
・消費電力が大きく長時間の監視はバッテリーの寿命を縮める

特に3カメラモデルによるドアパンチ対策などの場合には、動体検知ではサイドの小さい動きをキャッチ出来ない、またはキャッチが遅い事があるので、3カメラでの運用の際にはタイプラプス、または常時録画モードでの運用がおすすめです。

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「衝撃検知」モードでの駐車監視

ここまでに解説した「常時録画」「タイプラプス」「動体検知」の録画方式の駐車監視には、合わせて「衝撃検知」によるイベント録画がセットになる製品も多いのですが、ここでは「衝撃検知」によるイベント録画だけ、を行う駐車監視モードについて解説します。

こちらは原則としてはドライブレコーダーのカメラ機能が一切停止した状態で、衝撃センサーのみを通電させた状態で待機を行う仕様です。

この状態から衝撃センサーが異常を検知すると、ドライブレコーダーの起動を開始し、起動後に一定時間の録画を行います。

この録画方式はコムテック・セルスター・ケンウッド・VANTRUE・VIOFOなどの大手メーカーの製品で選択が可能です。

メリットはこちらの通り。

・省電力で待機するのでバッテリーへの負担が少ない

方でデメリットは以下のポイントになります。

・衝撃を検知してからの起動なので、録画開始まで数秒~10秒程度掛かり、問題の瞬間が映らない
・イタズラ対策としてはほぼ無力である

駐車監視の際の電源の確保

駐車監視を行う場合には駐車中もドライブレコーダーを駆動させる電源が必要になりますが、最近では以下の方法がスタンダードな電源確保の方法となっています。

・車のバッテリーから給電する
・ドラレコ専用の外部電源から給電する

なお、これらの電源供給方法にはそれぞれメリットとデメリットが存在しますが、順に説明すると以下の通りとなります。

車のバッテリーから給電する

最もスタンダードなパターンが、車のエンジンが停止している状態でも車のバッテリーからドライブレコーダーに給電を行い、駐車中も録画を行う方法です。

メリットとしては、既存の車のバッテリーを使用する為、大きなコストが掛からないという点が挙げられます。

ただし、バッテリーの寿命が縮んだり、バッテリーが上がってしまう可能性もゼロではないというデメリットも存在します。

また、ドライブレコーダーの各モデルごとに専用のケーブルが必要になり、取り付けもシガーケーブルではなく、ヒューズから電源を取りだす必要がある為、取り付けの難易度は上がります。

コムテックの場合にはこのような3芯ケーブルを使用します。

なお、バッテリーの保護対策としては…

・バッテリーの電圧が一定値以下になると自動で電源を遮断する
・タイマー設定機能で指定した時間で自動で電源を遮断する

などの機能が搭載されている製品も多いですが、それでも100%バッテリーが上がらないとは言い切れず、上がらずとも確実に寿命が縮みますので、各メーカーともに駐車監視によるバッテリー上がり・バッテリー劣化に関しては免責事項としています。

因みにトヨタでは純正扱いのコムテックのドラレコの説明書に、バッテリー劣化のクレーム予防策として「駐車監視は1時間を目安として下さい」との注釈を入れています。

「DC-DR652」コムテックのディーラー向け2カメラドライブレコーダー
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従って一日数時間以上の長時間の駐車監視検討している方は、次の外部バッテリーからの給電を検討した方が良いでしょう。

【検証】ドラレコの駐車監視でバッテリーの寿命はどれくらい縮むのか?
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ドラレコ専用の外部バッテリーから給電する

車のバッテリーを傷めずに長時間の駐車監視をしたい方向けには、ドラレコ専用の外部バッテリーがおすすめです。

ドラレコの駆動時間は2カメラタイプであれば6時間から90時間程度、充電速度も様々な製品があります。

2年保証のドラレコ駐車監視用バッテリー iCELL「B6A/B12A」
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モバイルバッテリーでの駐車監視は発火などの危険性がありますが、ドラレコ専用のバッテリーについては通常のリチウムイオンではなく、リン酸鉄リチウムなどの安全性の高い電池が使われているものもありますので、安全性を重視する方はドラレコ専用の外部バッテリーを検討されると良いでしょう。

ドライブレコーダーの駐車監視用サブバッテリーのまとめ
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まとめ

以上、ドライブレコーダーの常時録画(駐車監視)について解説しましたが、長時間の駐車監視を検討している場合には、証拠能力が高いだけでなく消費電力が低いものを選びたいところです。

2023年3月時点では単純な証拠能力と消費電力だけを考慮した場合、VANTRUEの3カメラモデル「N4」辺りが最適となっています。

【2022年向けに再評価】実機レビュー VANTRUE「N4」3カメラSTARVISドラレコ
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コメント

  1. 山下 豊美 より:

    すみませんが教えてほしいことがあり、メール致しました。
    先日ドライブレコーダーの事故映像を見せて頂きましたが、映像が2つのフォルダーに分かれていました。 どうしてフォルダーが分かれているのでしょうか? 5秒程度空けて2度の追突事故が連続で起こった場合には、1台のドライブレコーダー内で、別々に記録されるものなのでしょうか?

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      山下様
      ドライブレコーダーの事故の際の衝撃動画に関しては、メーカーやモデルにより保存方法が異なりますが、概ね以下の通りとなります。

      ①通常時の録画中の動画の保存場所を「ロックフォルダ」に移す(通常録画の「常時録画フォルダ」には衝撃動画は保存されない)
      ②通常時の録画中の動画の動画はそのまま「常時録画フォルダ」に保存し、衝撃の前後合わせて20~30秒程度を複製して「ロックフォルダ」にも保存する

      5秒程度空けて2度の追突事故が連続で起こった場合については

      ①の形式であれば、もともともファイルの録画時間が5分間で、その5分間の間に2度の衝突があれば該当の1ファイルのみがロックフォルダに保存されます。4:57秒で1度目の衝突、その5秒後に2度目の衝突があれば、2度目のファイルは別のファイルになりますので、2つのファイルが「ロックフォルダ」にも保存されます。

      ②の形式の場合、衝突の回数に関わらず「常時録画フォルダ」には全ての動画が保存されます。おそらく前10~15秒+後10~15秒程度は録画を行うと思いますので、1度目の衝撃から5秒後にさらに衝撃が加わった場合、録画の終了時間が延長されると思いますね。

      機種によっては衝撃の加わった回数分、前後の動画を切り取って保存する形式のものもあるかも知れません。
      何れにせよ動画が欠損するのは問題ですが、動画には時刻表示もあるかと思いますので、複数保存される事に関しては問題はないかと思います。

  2. cypher より:

    各記事大変参考にさせて頂いております
    コムテックのHDR-751GPを購入予定なのですが少し質問させてください
    車は通勤メインで使っており、家と会社では駐車監視の必要は感じていません
    街中の駐車場など必要な時のみ駐車監視を使いたいと思っています
    このような場合、普段は駐車監視モードをOFFにしておき
    必要な時のみワンタイム駐車監視モードを使えば
    バッテリーへの負担はゼロではないにしてもかなり抑えられるのでしょうか?

    • ドライブレコーダー専門家 LaBoon!!編集長 鈴木朝臣 管理人Omi より:

      cypher様
      駐車監視をオフにした状態だとドラレコには通電しませんので、ワンタイム駐車監視モードを使用した時以外にはバッテリーへの負荷は掛からないかと思います。

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