INBYTE Fine Vu「CR-3000S」のレビュー、評価

INBYTEさんからフロント・リアのフルハイビジョン録画が可能な2カメラタイプのドライブレコーダー、Fine Vu「CR-3000S」をお借りしました。

Fine Vuは韓国のドライブレコーダーメーカーで、INBYTEが日本における正規代理店という位置付けのようです。

韓国メーカーのドライブレコーダーはTHINKWAREやCOWONなどが有名ですが、全体的な傾向としては高画質で駐車監視の利便性が良いという特徴があります。

韓国メーカーのドライブレコーダーの駐車監視機能の利便性が高い理由は、あるメーカーさんのお話では韓国の駐車場事情が絡んでいるようです。

韓国では車を購入する際に車庫証明は不要

韓国ではマンションなどの駐車場が日本の月極駐車場のように個々の車両に1枠というように割り振られてはいません。

日本とは異なり、車を購入する際の車庫証明が不要である事からそのような形態となっているようです。(違法駐車の増加などの問題から、車庫証明制度の導入を一部の地域で開始しているような情報もあります)

従って、マンションの住人の車の所有台数と駐車スペースの数は一致しませんので、帰宅が遅かったりすると駐車場の椅子取りゲームからあぶれてしまった人が、既に車が駐車されているスペースの前に自分の車を停めざるを得ない状況が発生する訳です。

自分の車の前に他人の車を停められてしまった場合には人力で動かして脱出すしますので、他人の車の前に駐車する場合にはサイドブレーキを引かないのが常識となっているそうです。(AT車の場合はPレンジだとロックされますが、その辺りはどうなってるんでしょうね)

このような駐車場事情から、韓国では駐車中の車のトラブルが多く、その対策として駐車監視モードが充実したドライブレコーダーを導入する人が多いようです。

 

日本で先進的と思われるコムテックなどの日本メーカーの駐車監視モードの仕様も韓国メーカーのものとかなり似ていますが、おそらく韓国メーカーのドライブレコーダーを研究した結果であると推察されます。

「CR-3000S」のスペック

「CR-3000S」のスペックは以下の通りです。

CR-3000S
17.08発売
フロント:1920×1080/30fps
リア:1920×108030fps
西日本LED非対応
フロント:水平107°
リア:水平99.8°
付属32GB
最大64GB
GPS付属
安全運転支援
駐車監視モード
動体検知&衝撃検知
自動起動
専用ケーブル
付属
「ドライブレコーダーの持込取り付け」が出来るお店

2カメラモデルはスマートレコTHINKWAREのモデルを過去にテストしていますが、他のメーカと異なるのは、リアカメラと接続ケーブル、駐車監視の常時電源ケーブルなどの2カメラ運用に必要となるものが一式セットになっているという点です。

機能面ではほとんど同様ですね。

なお、水平視野角は107°との記載がありますが、100°のケンウッド「DRV-320」と比較すると112~3°はありそうです。

スマートレコは105°、THINKWAREの「F750」「X500」は112~3°程度となっていますので、動画の本体での確認が容易な大型液晶であることを考えれば「X500」、タッチパネル操作が可能な点ではスマートレコ「WHSR-510」によく似たモデルであると言えます。

「CR-3000S」のセット内容とデザイン

「CR-3000S」のセット内容はメインカメラ内蔵の本体、サブカメラ、サブカメラ用ケーブル、GPSユニット、駐車監視用3芯ケーブル、シガーケーブルとなり、他のメーカーと異なり一式がセットになっています。

画像右上がケンウッドの「DRV-320」ですが、それと比べるとかなり大きい事が分かると思います。

液晶部分については仕様表に記載がありませんが、メジャーで計測したところ3.5インチ程度でした。

「X500」と比べても液晶はかなり大きめです。

一方でGPSについては「X500」は内蔵タイプであるのに対し、「CR-3000S」の方は外付けとなりますが、比較的小振りである為、車種によってはルーフパネルやピラーの中に隠す事も可能かも知れません。(地デジのアンテナからは出来るだけ離した方が良いと思います)

車外から見た感じはかなり目立ちます。(まるで監視カメラのよう)

リアカメラはコンパクトで目立ちません。

「CR-3000S」の画質

画質に関しては他の2カメラモデルとの単純比較は出来ませんが、スタンダードモデルのケンウッド「DRV-320」に比べると視野角が10%以上広い割に、精細感は大分良いと感じました。

逆光補正に関しては、ソフトウェアではなくハードウェアの性能でダイナミックレンジを確保している印象です。

いわゆる「WDR」と言った感じかと思います。(特に記載はなし)

リアカメラもかなりダイナミックレンジは広い印象です。

駐車場内も「DRV-320」に比べるとかなり明るく感じますね。

 

夜間に関しては特別ではないですが、明るい部類のドライブレコーダーになります。

 

スマートレコTHINKWAREのモデルと比べると視野角は相対評価が可能ですが、画質面では体感出来るような大きな差はありません。

画質的な部分ではどれも同程度と捉えてよいと思います。

※リアカメラの解像度はスマートレコ「WHSR-510」のみFHDではなくHD画質です。

駐車監視の仕様について

「CR-3000S」の駐車監視の仕様は、感度の調整が可能な動体検知・衝撃検知によるもので、それぞれparking、motionの別フォルダで管理されます。

エンジンオフで駐車監視に入り、オンで衝撃検知・動体検知の件数を表示します。

乗降車時のキャンセルタイマーはありませんが、本体側から11.6~12.3Vの電圧と3・6・9・12・24時間のタイマー設定が行えます。

また、それ以外にも外部バッテリー使用時の設定として11Vでカットオフという項目もあります。

今回はベセトジャパンの外部バッテリーを使用して駐車監視を行いました。

■ ドライブレコーダー駐車監視用バッテリー ベセトジャパン「UPS300」が便利過ぎて泣けた

 

なお、「CR-3000S」の3芯ケーブルは通常とは異なり、赤(常時)、黄色(ACC)、黒(アース)となります。

ガソリンエンジン車のランエボ10での20時間程度のテストでは特に問題は見られませんでしたが、「UPS300」はACC側の給電圧が一定値以下に下がるとバックアップ電源からの給電のみに切り替わる為、ハイブリッドやアイドリングストップ車の場合にはモーター駆動時やアイドリングストップ時に駐車監視モードに入ってしまう可能性があります。(確認はしていません)

安全運転支援機能について

「CR-3000S」には発進遅延・前方衝突・車線逸脱の3つの安全運転支援機能があります。

いずれも3段階から感度の調整が可能ですが、車線逸脱についてはほぼ思ったタイミングで鳴らすことが出来ました。

発進遅延・前方衝突の二つはカメラの向きや感度の調整を好みのレベルに合わせるのが難しいと感じました。(車種や取り付け位置、向きでかなり発報頻度が変わる印象)

他社のものに比べると精度は上の方ではあると思います。

インターフェイスについて

インターフェイスは大画面のタッチパネルなので使い勝手は非常に良く、走行中はフロントのみ・リアのみ・フロント+リア・スクリーンセイバー・表示オフの中から表示項目を選択する事が出来ます。(画面にタッチするだけで切り替わるので便利)

ただし、バックカメラとして使用するなら取り付け位置と夜間の光源を工夫する必要がありそうです。

microSDカードは64GBが限界

microSDカードについては64GBを超える容量のものはいずれの方法でも使用が不可でした。

スマートレコと同様にあらかじめ録画ファイルごとパーテーションを作り、上書きの際にフォーマットしてる仕様かもしれません。

メニューからフォーマットを行うと、録画ファイルの数だけパーテーションが作成されている模様。

「CR-3000S」の取り付けについて

「CR-3000S」の取り付けは他の2カメラタイプのドライブレコーダーと同様に、リアウィンドウの上部のパネルからピラーやウィンドウのゴムの中などを通してフロントウィンドウに引き込みます。

車種によってはドア下のパネル内を通しても良いかと思います。

「CR-3000S」の総評

「CR-3000S」は30fpsで西日本LED対策は行われていないようですので、東日本のユーザーにおすすめとなります。

他社の2カメラモデルとの違いは以下の通りです。

・「WHSR-510」よりも液晶画面が大きく、視野角が広いが駐車監視の乗降車キャンセルがない

・「X500」よりもよりも液晶画面が大きく、タッチパネル操作が可能だが、オービス警報がない

選ぶポイントは液晶操作とサイズ、視野角の違いです。

後は好みでどうぞ…というくらい決定的な差は西日本LED対策の有無程度になります。

(ドライブレコーダー専門家 鈴木朝臣

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