みなさんはタイヤの空気圧、ちゃんと点検していますか?
タイヤの空気圧は定期的な点検が必要
空気圧を点検しないと、タイヤがバーストしてしまったり、サイドウォールにヒビが入りやすくなったり、偏摩耗したりする原因となります。
バースト
バーストは市街地走行ではまず起こりえないですが、高速道路などを空気圧の著しく低下している状態で走行すると起こる可能性があります。
これはスタンディングウェーブ現象と呼ばれ、回転しているタイヤが連続的に波打つように変形してタイヤが過熱してしまうことでバーストにつながります。
バーストしてしまうと急にどちらかにハンドルを取られてかじ取りが効かなくなったり、急減速してしまうなどの可能性が考えられ、大事故につながる可能性があるのでとても危険です。
サイドウォールのヒビ
空気圧が低いとタイヤのサイドウォール(タイヤの側面) がたわむので、変形により細かいヒビが早期に入りやすくなります。
この細かいヒビが多くなってくるとバーストにつながりやすくなるので、例え溝が多く残っていてもタイヤを使用出来なくなってしまいます。
偏摩耗
一口に偏摩耗と言ってもいろいろな種類があるのですが、主なものは内減りと外減りです。
タイヤの空気圧が低いと、タイヤの設計上想定されているたわみ方と異なるので中央の溝が残って内側と外側の溝が減ってしまう状態になります。
さらに、タイヤの空気圧が低いとサイドスリップ(タイヤの横滑り量)が大きくなるため、さらに内減りや外減りが起きやすくなります。
逆に空気圧が高すぎると中央の溝だけが減って内側と外側の溝があまり減らない状態になります。
空気圧が高い分にはサイドスリップはそれほど変化しません。
空気圧の管理が悪いと、中央の溝があるのに外側や内側のワイヤーが出てしまう*1ということが起きます。
*1タイヤはワイヤーの周りをゴムで固めているのでゴムが摩耗すると最終的にはワイヤーが出てしまいます。
空気圧を適正に管理すれば良い
これらの最も有効な対策は、当然ながら空気圧を適正に管理することです。
それには1~2ヶ月程度に一度の定期的な空気圧の点検を行いましょう。
運転席ドアを開けるとその車ごとの指定空気圧のステッカーが貼り付けてありますが、それを基準に空気を充填します。
基準の空気圧は車重や車両のバランスなどを考慮して計算された設計上最良の数値です。
つまり、空気圧は低すぎても高すぎてもダメなのです。
空気圧が低くても高くても適正空気圧よりもタイヤの接地面積が少なくなり、タイヤが路面に食いつきにくくなるので雨や雪など路面状態が悪い時は特に危険です。
ただし、空気圧は空気が抜けて自然に下がってしまうものなので、20~30kPa(0.2~0.3kg/cm^2)程度多めに250kPa(2.5kg/cm^2)を限度として入れても良いでしょう。
走行前のタイヤが冷えている状態で空気圧を点検するのが最も良いですが、走行後でタイヤが少し温まっている状態であればもう少し多めに入れても良いでしょう。
高速道路を走るから空気圧は高めにする必要はある?
昔は乗用車にバイアスタイヤを装着していましたが、現在は全てラジアルタイヤを装着しています。
バイアスタイヤとラジアルタイヤでは構造が全く異なり、バイアスタイヤの場合は空気圧を高めにすることが推奨されていました。
しかし、現在使われているラジアルタイヤは適正空気圧で高速道路を走っても全く問題ありません。
また、多少空気圧が低くてもバーストにつながることはほとんどありません。
エクストラロード(XL)規格とは?
タイヤサイズの後などにXLと表記があるものがあります。
例:235/45R17 97Y XLなど
これらのタイヤは通常のタイヤに比べて空気圧を高めにしないと、車重を支えることができません。
目安として50~60kPa(0.5~0.6kg/cm^2)程度、290kpa(2.9kg/cm^2)を限度として空気を充填する必要があります。
タイヤの空気が抜けるのが1本だけ早い時は?
他のタイヤより空気が抜けるのが早いタイヤがあったら、タイヤに釘が刺さっていたり、ホイールとタイヤのすき間やエアバルブなどから空気が漏れている可能性があります。
すぐに空気が抜けてしまうのであれば車屋さんに点検してもらいましょう。
(ライター:自動車整備士 SkyLight)
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