JIS規格に認められたカーフィルムの飛散防止性能について

こんにちは、ライターのタムです。

皆様は、車に乗っている時にもしも事故を起こしてしまったら?

フロントガラスが割れるなんてことも。

しかし、窓ガラスが粉砕しても、実は怪我をしないように作られているんです。

夏場であれば、本来外に居たらとてつもなく暑いはずなのに、エアコンをかけていると車の中では快適に過ごすことができますよね。

これは窓ガラスそのものに遮熱効果を促す素材が利用されているためです。

そんな窓ガラス等に利用されているのがカーフィルムなんです。

そんなカーフィルムの性能について詳しく解説していきましょう。

そもそもカーフィルムとは?

そもそもカーフィルムは一般的な窓ガラス等とは異なり、自動車のサイドやリアの窓ガラス部分に施工することによって強い日差しを遮断したり、この遮熱効果を利用して車内の温度を下げることができるようになります。

又その他にも様々な安全性能を加味した特殊構造で作らているのが特徴であり、ガラスが破砕した場合にもガラスで傷が付きにくいような設計がなされているのです。

カーフィルムの歴史

カーフィルムは、海外では、window filmとも呼ばれており、「窓用フィルム」のことを言います。

元々は、アメリカの建築資材として窓に貼ることで耐熱性や遮熱・遮光性の効果フィルムとして普及したのが始まりで、又それらの目的以外にも、防犯や飛散防止用としても用いられていました

窓ガラスにはこれら以外にも

  • 防犯
  • 飛散防止
  • UVカット

のガラスといったものが存在しています。

しかし、自動車の窓は窓ガラスとは異なり、これらのニーズを全て集約した窓でなくてはなりません。

そういった様々なニーズに対して、ガラスそのものの仕様で完璧に対応するのは非常に難しいものがあります。

そこで、ガラス仕様による性能の強化ではなく、窓用建築フィルムを貼って対応することが行われているように、自動車でも色々なニーズに対してウィンドウのガラスそのものにカーフィルムを貼ることで対応するようになる工夫がなされ、開発が進められてきました。

この自動車の窓ガラスには

  • 遮光
  • 防犯
  • 飛散防止

等様々なニーズに答える必要性があるため、ガラスの素材のみでは対応できない部分を補うために利用されるようになってきたのがこの「カーフィルム」です。

今でも継続的に利用されて現在の普及に繋がっています。

カーフィルムの役割と特徴

このカーフィルムの大きな役割として主に次のような役割が挙げられます。

  • 防犯対策
  • 紫外線除去
  • 車内の安全確保
  • 赤外線遮断効果
  • エアコン効率改善
  • ガラス飛散防止

このカーフィルムの役割としては、車内の安全や防犯対策・紫外線除去・ライバシー保護や、エアコン効率を良くするなどが挙げられます。

また、車内インテリアの劣化防止等にも影響があるため、様々なニーズに答えるべくカーフィルムの保護機能が求められています。

その中でも特に事故等のトラブル時に身の安全を守るために大切な、「ガラス飛散防止」という性能も逃してはならない大切な役割なのです。

カーフィルムの種類

基本的にUVカットに関わる機能は、ほとんどの種類のフィルムに搭載されています。

紫外線透過率が1%、言い換えれば99%カットというものが一般的です。

あとは、スモーク度・遮熱性・飛散防止性能等の目的に応じてフィルムの種類が存在し、その顧客のニーズにあったものを利用できるようにカーフィルムの開発されてきています。

それぞれ用途に使用されるカーフィルムには、主に3つのフィルムに分けられます。

  • 遮熱用フィルム
  • プライバシー保護用フィルム
  • 飛散防止フィルム

遮熱用フィルム

次に遮熱用フィルムについて、赤外線透過率が低いものについてご紹介します。

遮熱用フィルムとしては、スモークのない透明のフィルムも市販されており赤外線透過率は20%~28%程度です。

透明なので前席に問題なく貼ることができます。

メタリック系は概して遮熱性に優れ、赤外線透過率は10%~21%です。

それに対して色の濃いスモーク系やブラウン系は、透過率が80%を超えますので遮熱効果は期待できません。

注意したいのは、暑い季節の遮熱は遮熱用フィルムで、寒い季節に車内の温熱を外に逃がさない為の「断熱」の効果は期待できないということです。

遮熱用フィルムが「断熱用」と表現されることがありますが、これは厳密には正しくないのです。

プライバシー保護用フィルム

こちらのフィルム特性は

  • 外から内部を見られたくない
  • 外からの目を気にせずに授乳したい

等の意見から、プライバシー目的で選ばれるスモークフィルムです。

スモークフィルムは外から中が見えない分、車内から外が見えにくくなっています。

ことに暗くなる時間帯は、外の景色が視認し辛くなります。

その為、フロントガラス、運転席側・助手席側のサイドのガラスは、可視光線透過率が70%以上でないと車検に通らない決まりとなっています。

こうしたことから、視認性を確保しなければならない窓と、プライバシー優先で貼れる窓とで透過率の異なるフィルムを貼られています。

なお、スモーク系といわれるフィルムは、可視光線透過率は46%というものから7%のものまであります。

7%ともなると、夜の運転はかなり注意が必要となります。

プライバシー重視の売れ筋の場合、透過率は13%ほどです。

そのほか、ブラウン系で15%、また、外から見ると銀色のミラーのように見えるメタリック系は22%~25%の透過率です。

一般に、30%以下であれば十分に目隠しとなります。

飛散防止フィルム

飛散防止の効果については、実はカーフィルムの厚さが50μm(ミクロン:1/1000mm)以上でないと確実な効果は得られないと言われています。

しかし、通常のカーフィルムの厚さは25~38μmなので、飛散を和らげることはできても、完全な防止にはならないのです。

そこで、飛散防止用とうたっているフィルムは厚さが50μm以上で、中には「強飛散防止」フィルムと言って厚さ75ミクロンというものも登場しています。

古い車をにお乗りの方はカーフィルム未装着車の可能性あり

皆様の中で古い車に乗り続けている方はいらっしゃいますか?

2013年以前では施行されていない車に使用されている強化ガラスでは、万が一の衝突や横転事故に備えていないため、事故の際に鋭角に細かく粉砕したガラス破片が飛び散ります。

これは非常に危険なものであり、このガラスによって命を落とす人も少なくなかったのです。

カーフィルムの4つの利用用途は、特に昭和の時代から

  • UVカット
  • 遮光(プライバシー)
  • 遮熱能力
  • 飛散防止

という目的を達成するために利用されていましたが、

この頃の強化ガラスは、飛散しにくいが着色ガラスUV防止剤が入っており、割れたとき尖った破片になってしまっていて非常に危険でした。

そこで自動車ガラス用ウィンドウフィルムのJIS規格が2013年11月20日に改定されています。

自動車用安全ガラスに規定されている強化ガラスは、フロート板ガラスと比較しても強度が高く、細粒状に破壊されるため、人体への損傷とガラス片の飛散をきわめて軽減できるようになりました。

この改定により、強化ガラスにフィルムを張り付けることで、ガラス破片時のガラスの飛散をいっそう防止し、より高い安全性の確保することを目的とした、「ガラス飛散防止性能を強化したカーフィルム」が新たに導入されました。

このように車も道路交通法の法律に合わせて、安全性を推奨した新しいものへのと常に進化していきます。

だからこそ、もし皆様の中に古い車に乗り続けている方がいるようでしたら、ぜひ身の安全を第一に考てこうした車を選ぶか、フィルムの貼り付けをおすすめします。

JIS規格に認められたカーフィルムの飛散防止性能とはどんな性能なの?

それでは、このJIS規格に認められたカーフィルムの飛散防止性能とはいったいどんなものなのでしょうか?

飛散防止性能がどのような判断基準によって決められているのかご紹介していきましょう。

カーフィルムの飛散防止性能に関しては、主に国交省が提示した5つの判断基準によって試験が行われています。

この判断にクリアしたものだけが「飛散防止性能がある」と認められたフィルムと認定されていきます。

飛散防止性能の5つの判断基準

  • 引張強さ
  • 粘着力
  • 耐燃性
  • 対候性
  • ガラス飛散防止性能

国交省が提示したこの5つの検査基準にクリアできていれば、飛散防止性能のフィルムとしてJIS規格で認定されるようになっています。

その検査方法も決められており、それぞれの規定値を超える性能がクリアできなければ、こうしたフィルムとは認定されないのです。

引張強さには、100N以上の強度と伸張性には60%以上の伸びが必要になります。

又粘着力には、4N以上の粘着性が必要で、耐燃性には火の自消性があるかどうかで判断されます。

自消性は、試験片が着火しない場合、接炎箇所から38mm以内に消火した場合、又は50mm以内に消火し、かつ60秒以内に消火した場合のことをいいます。

対候性には、まず外観も確認されています。

著しい変色や膨れ、ひび割れ、端の剥がれ等が外観によって判断されます。

飛散防止の試験では下記のような実験測定によって評価・判断されていきます。

飛散防止の試験法

この試験はガラス飛散防止率という数値が用いられ、その割合が95%以上とされています。

特にこのガラス飛散防止の検査試験では、銅球を1.5m以上の高さから静止状態で試験片の中心部に自由落下させ、落下地点は、試験片の中心部から25mm以内とされます。

試験後、試験片から飛散したガラス片を取り除いた後で、0.01g単位で試験片の重量測定を行っていきます。

試験については、6枚以上の試験片について試験を実施。3枚以上破壊した場合にそのガラスの飛散防止率を算出します。

この試験結果の平均値を算出し、粉砕前と粉砕後でどれだけ質量が変化するかによって、割合が算出され、その性能評価が行われています。

飛散防止率の算出方法

ガラス飛散防止率(%) = 試験前の試験片の質量(g)/ 試験前の試験片の質量(g)× 100

カーフィルムの飛散防止性能のまとめ

車でのドライブを快適に楽しむためにも、大事な車のガラスが割れたり万が一事故に遭遇してしまった際に、最小限の怪我で済むようにしっかりとした安全対策を心がけておくことが大切です。

そんな時にあなたの命を守ってくれる「カーフィルム」。

カーフィルムを貼るには、自分で作業を行うか業者に依頼することになります。

カーフィルムの施工コストは、自分で貼る方が抑えられますが、失敗したり長持ちしない可能性があります。

また、インターネットで売られているフィルムには粗悪品も多く出回っています。

そのため、長期的に考えれば業者に依頼した方がコストパフォーマンスが高くなるので、できるだけ専門の業者に依頼することをおすすめします。

もし、まだ利用されていない方がいらっしゃいましたら、しっかりをカーフィルムを着用することであなたの命を守りましょう。

まだあなたの車にフィルムを貼られていないという方は是非こうした知識をしっかりご理解して、ご対応することを推奨いたします。

あなたの命と同乗者の命を守るために。

(ライター タム)

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