初めてのマイカー「ホンダN360」を購入したのが1968年。

神奈川県に住んでいた私が、そのクルマでドライブをした最も遠い所は長野県の蓼科でした。

まだまだ運転に自信がない18歳の初心者でしたが、そのドライブツアーを通して、街乗りでは味わえない郊外や高原ドライブの快適さを知りました。

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そしてそれがキッカケで、1999年までの31年間では日本全国の都道府県をドライブで巡るまでに至りました。

とは言っても北海道と九州各県、そして沖縄県はレンタカーの使用でしたが、全て自分のドライブによるツアーではありました。そして迎えた2000年、50歳を過ぎた私の次の目標は、海外でのドライブツアーでした。

海外ドライブに必要な運転免許証

2000年当時、私は仕事の関係で2回目のシンガポールに住んでいました。

lgf01a201406291100【著作者: Luke,Ma】

そしてそこでは平日の通勤と週末の買い物その他で毎日のようにクルマを運転していました。

勿論そこでの運転に必要な運転免許証を取得してのことでしたが、この免許証取得には少しばかり不安がありました。

第1回目のシンガポール暮らしを始めた1993年には、日本で発行された国際免許証が有れば、簡単な手続きでシンガポールの運転免許証への書き換えが出来たのですが、2回目となるその当時は、英文での試験(交通法規等に関する基礎学科試験「Basic Theory Test」に合格しなければ取得できないように変わっていたのです。

試験はパソコンによるもので、各問題への回答を選択して所定の時間内に都度入力する形式ですが、問題の数が多く、途中でタイムアウトすると「不合格、退場!」とのメッセージが現れ、それでゲームオーバーになるのです。

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早速書店で試験用の問題集を購入し、シンガポールでの交通法規を学習しましたが、その中で興味深かったのが「車間距離に関する2秒間ルール」でした。

それは、如何なる速度で走っていても先行車との車間を2秒間分の距離以上に保つというルールです。

この2秒間の測定は自分の感覚で良いのですが、例えば、先行車が前方の道路標識を通過した時から頭の中で「ワン」&「ツー」とゆっくり数え、数え終わった後に自分のクルマがその標識を通過するように車間距離をとるのだそうです。

その結果、50km走行の場合で車間距離は28m以上、高速道路で時速100Km走行ならば約56m以上となるわけです。

この距離がどうなのかは別として、距離の判断の仕方としては面白い方法だなと感じたものです。

こうして臨んだ試験日、試験中に何人かの受験者が途中で退場するのが気になり、集中するのが大変でしたが何とか合格して無事に英文の運転免許証が取得できました。

実はこの「英文」がとても便利なものなのです。

それは、英語圏の国であればどの国でもこの免許証が有効であり、イギリス、アメリカは勿論、オーストラリアやニュージーランドでも運転できるのです。

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こうして取得した運転免許証を持つと、どうしてもどこかの国でそれを使ってドライブをしてみたくなり、選んだのがアメリカでした。アメリカには友人がいる事、そして日本やシンガポールのように左側通行ではなく、右側通行初挑戦となることがその理由でした。

初めての海外ドライブ : アメリカ編

アメリカのニューヨーク州に友人を訪ねたのは2000年の6月でした。

lgf01a201401170800【著作者: Ghostbuster^】

そこでの2日間ほどの滞在の後、フロリダ州のオーランドに飛び、そこの空港近くのハーツで3日間のレンタカーを申し込みました。

初めてのアメ車、初めての左ハンドル車、モデル名も分からぬまま選んだシルバーのフォードは、当時のトヨタ・アリスト程のサイズでしたが、アメリカでは決して大型ではない極普通のファミリーセダンとのことでした。

シンガポールで取得した英文の運転免許証を見せ、勧められるままの保険に入ったところで、カーナビのニーズを訪ねられました。

狭いシンガポールでは不要なものでしたが、広大な国、それも初めての地であったことから日本語へのスイッチングが出来るタイプを取付けることにしました。

そしていよいよ海外ドライブの初体験です。

先ずはその日から3日間滞在するウォルトディズニーワールド近くのホテルまでの約30kmです。

ハーツの前の片道2車線道路を左方向に行くには、一番右側の走行車線に渡る、そう、道路を横断しなければなりません。

日本やシンガポールで右方向に行く時の逆をやるだけなのですが、それが何とも恐ろしく、まるで運転免許取得後の初ドライブのような気持ちでタイミングを見計らっていました。

暫くして、ハーツのスタッフが心配そうに見守る中、後輪を空転させながらのロケットスタートで一番右側の車線に入り込み、ホテルに向けてのドライブが始まりました。

最初の交差点での右折は信号が赤でも専用レーンで右折が出来たので問題ありませんでしたが、次の交差点での左折では、危うく左側通行をしてしまいそうになり、対向車にクラクションを鳴らされるという恐ろしい左折を初体験しました。

こうして数キロ程走った後はナビの指示通りにハイウェイに入り、50分程で何とか無事にホテルに到着しましたが、精神的な疲れのせいか、その日に予定していたディズニーワールドでのお楽しみの時間は短時間で切り上げることになりました。

そしてその分翌日はユニバーサルスタジオを含めてのお遊び日とし、クルマの運転はそこへの移動だけでしたので問題なく過ごせました。

そして次の日、いよいよ本格的?なドライブ日です。

行先はホテルから直線距離で約100kmのケネディー宇宙センターです。

カーナビの指示によるとその殆どがハイウェイ走行であり、所要時間は約1時間半でした。

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交差点の無いハイウェイードライブには何の不安も無かったのですが、時折追い越して行く大型トレーラーの迫力あるクラクションの音にはまるでハリウッド映画のような驚きがあり、ついブレーキに足がかかってしまうこともありました。

途中での立ち寄り名所もなく、いや、正確には分からず、単調なハイウェイードライブを続けること1時間半、予定通りの時間に無事現地に到着しました。

そして宇宙センターで大きな国アメリカを思い知らされての帰り道は同じルートでしたが、それは大きな国に相応しい大きくて真っ赤な夕陽が印象的なハイウェイのドライブでした。

カーナビを切り、ラジオから流れるウェスタンミュージックを聴きながらのドライブは、初日の左折時に対向車にクラクションを鳴らされた時とは全く違う快適な気分での海外ドライブ初体験の締めくくりでした。

初めての国境越え海外ドライブ : マレーシア編

シンガポール駐在はこれまでに3回あり、その3回目が2007年からでした。

lgf01a201407220700【著作者: Luke,Ma】

東京都の広さ程しかないシンガポールですので、3回目ともなると週末に行く場所もなくなり、退屈する日々が続いていました。

そんな或る日のことです。日本から友人が遊びに来て、想い出に残る何かを、とのことでマレーシアの首都、クアラルンプールまでのドライブツアーをすることになりました。

シンガポールからは400km弱の距離ですが、途中は制限速度110kmの高速道路が殆どですので所要時間は、途中での名所立ち寄りや昼食・休憩を入れて約6時間を予定しました。

2008年11月当時の私のクルマは日産のTEANA(2.5L)、購入して1年で約1万km走行した絶好調車でしたが、国境を越えての長距離ドライブでは何が起こるか分りませんので、到着希望時間からの逆算に余裕を加えた出発時間としました。

シンガポールの自宅を出て約30分、マレーシアとの国境ではパスポートチェックの他に、クルマの「燃料計チェック」があります。

これはシンガポールから入国しようとするクルマには燃料が4分の3以上入っていないといけないという法律によるものです。

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その理由は、マレーシアはシンガポールと比較してガソリンが安いので、マレーシア側でガソリンを入れるとシンガポールの税収が減ってしまうからとのことです。

私のTEANAはガソリン満タン、問題なく国境を通過し、先ずは高速道路を使って約2時間半の「古都・マラッカ」へのドライブ開始です。

時速110km前後で走る片側2車線の高速道路の両サイドにはパームヤシのジャングルがどこまでも広がり、単調な景色の中でのドライブを続けていたその時でした。

路肩に停まっている1台のクルマの横から一人の男が車線を横切り中央分離帯近くで手を挙げたのです。

速度を少し落としてその男の横を通り過ぎる際によく見ると、その男は制服姿の警察官(のよう)でした。

実はシンガポール人の知人から聞いたことがある話ですが、マレーシアではシンガポールナンバーのクルマが何者かに停められて何等かの被害に遭うことがあり、時には本物の警察官が違反扱いしてクルマを停め、その場でキャッシュを要求…も有り得るとのことでした。

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私はオートドライブで時速110kmにセットして走っていましたので、一旦速度を落としてそのまま通過しましたが、あの危ない車線横切り男の正体や目的は未だに不明です。

そんなちょっぴり怖い思いをしながらマラッカに到着したのは丁度昼食時でした。

マラッカ海峡に面したこの街は、1400年にマラッカ王国として誕生し、繁栄した後には長年に渡りポルトガルやイギリスに支配されていたために、ヨーロッパとマレーシアの影響を受けた特有の文化と街並みがあり、訪れた年の7月にUNESCOの世界文化遺産に登録されたばかりでした。

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そこでの古い建造物や街並みの見学と昼食の後は、クアラルンプールまでの150kmの高速道路ドライブです。

首都クアラルンプールが近づくにつれてジャングルからビル群に景色が変わり、その中でも特に高くそびえ立つ「ペトロナスツインタワー 」が見えてきた時には約400kmドライブの目的地への到着でした。

そして翌日の帰り道では二度とあの車線横切り男が現れないことを祈りつつ、のんびりと単調なドライブを続けて初の国境越えドライブを無事に終了しました。

運転手付きの海外ドライブ : タイ編

2007年から住んでいたシンガポールを離れ、2度目の駐在となるタイのバンコクに移ったのは2009年でした。

lgf01a201305280000【著作者: Nik Cyclist】

そこでは、1度目の時と同じように運転手付きの社有車が与えられましたが、それは、交通事故が起きた時の言葉の壁や、タイ人の雇用促進の為に、外国人駐在員にはタイ人運転手を付けて、自らの運転は自粛するように政府の指導があるからです。

この運転手付きの社有車は、週末や連休の時でも使用する事が出来ますが、プライベイトの場合は運転手に対する特別手当にそれなりのチップを加えて自己負担していましたので、運転手にとってはハッピーな休日出勤なのです。

そこで計画したのが、2010年の9月に日本から訪ねて来る後輩たちを連れて「水上マーケット」への運転手付きドライブツアーをすることでした。

yun_3763x【Photo by (c)Tomo.Yun http://www.yunphoto.net 】

運転手の話によると、バンコク近郊で最も有名な「ダムヌン・サドゥワック 水上マーケット」への往復は約6時間とのことでした。

しかしながら、観光地とは言え、タイ人生活者が普通に買い物をする市場でもありますので、午前中に着かないとその光景を見ることが出来ないとのことから朝早めの出発になりました。

予定通り後輩たちを迎え、簡単な市内観光の案内をした翌日の朝、運転手付きのドライブが始まりました。

日本では考えられないこの贅沢なドライブツアーに後輩たちは大喜びでしたが、それは最初の3時間だけでした。

クルマはホンダのインスパイア。

カーナビが付いているのですが、何度説明してもその使い方を理解しない運転手はついに道に迷い、ジャングルの中で頭をかきだしたのです。

lgf01a201409300200【著作者: mripp】

人通りの殆どないジャングルの中で、やっと見つけた通行人に道を訪ねたまでは良かったのですが、その後、遅れを取り戻そうとフルスピード?でジャングル内の小道を走る運転手には後輩達も、そして私も恐ろしさを隠せませんでした。

到着は午前11時前でしたが、そこはまだタイ人の買い物客やそれを見学する西洋人の観光客で大賑わいでした。

私達も小舟に乗り込み、一通りの観光ルートを回り、クルマに戻ったのが13時過ぎ、帰りの道中ではすっかり眠ってしまいましたが、それが出来るのも自分で運転しないドライブの良さでした。

それでも日本の都道府県の全てを自分でドライブした経験の次のステップとしての海外ドライブとしては、やはり自分で、と考え、いつかレンタカーで再挑戦をしてみようと考えています。

(ライター:ゴル)

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